今年は夏の高校(中等学校)野球大会が始まって丁度100年の記念すべき年となり、何かと話題が多い。とにかく特別に暑い今夏も各地の予選で熱戦が繰り広げられ、続々甲子園代表校が決まっている。
その中で格別話題性を以って採り上げられているのは、個人では東京の早稲田実業高の1年生ながら3番バッターの清宮幸太郎選手である。準々決勝辺りから連日その力強い打撃ぶりが採り上げられて放映され、そのせいで早実人気はうなぎ登りで早実の試合は異常なくらい大勢の観客が押し寄せている。清宮選手の優れているのはバッティングだが、リトル・リーグ時代に世界選手権で優勝した時の打棒が抜群で、当時からアメリカ・メジャーリーグのスカウトが注目したという逸材である。加えて、父親が早稲田大学のラグビー部主将、監督を務め、その後サントリーでも監督を務めて現在はヤマハ監督の清宮克幸氏であったことから話題が集まった。清宮選手が甲子園でどれほどの活躍をやってくれるのか、今から注目されている。
一方高校チームとして話題になったのは、第1回大会優勝校京都二中、現在の京都府立鳥羽高校が公立高として強豪ひしめく京都大会を勝ち上がったことである。
わが母校湘南高校もそこそこいい試合をおこなったのだが、残念ながら準々決勝の前に敗れてしまった。昭和24年に初出場・初優勝の快挙を成し遂げた栄誉は今も燦然として輝き、折に触れて話題となって紹介されることがあるが、拙著「南太平洋の剛腕投手」でも甲子園初優勝については大分触れた。その時の1年生選手だった佐々木信也さんが先週の「週刊朝日」に大きく頁を割かれて採り上げられていたのも話題性の所以である。近々九州地区限定の「スポーツニッポン」紙の一面に広告が掲載されるが、その広告でも佐々木さんと甲子園初優勝の関連説明が紹介される予定である。
さて、高校野球ばかりが話題を浚っているようだが、プロ野球でも昨日2つの新記録達成があった。そのひとつは、中日ドラゴンズの谷繁元信・監督兼捕手がプロ野球通算出場試合数3018試合に達し、捕手として野村克也氏を抜いて出場数歴代トップに躍り出たことである。負担の多い捕手というポジションで成し遂げたことがとりわけ意義深い。
もうひとつは、東北楽天イーグルスの松井稼頭央選手が日本で通算2000本安打を達成したことである。松井選手はこの間7年に亘ってメジャーリーグでも活躍し、メジャーで615本のヒットを打っている。このまま3年もこれまで通り活躍できれば、日米合せて夢の3000本安打はおろか張本勲選手の最高安打数3085本凌駕も夢ではない。自己管理能力の高い選手のようでもあり、さらに努力を積み重ねて是非とも最高安打数3086本を達成してもらいたいものである。
尤もその道の先輩には、イチロー選手がまだまだ頑張っている。イチローは日本ではオリックスの9年在籍中に1278本のヒットを打ち、メジャーリーグでは今年まで15年間に2899本も打ち、メジャーで3000本達成を間直に控えて、本場アメリカでも注目されている。日米通算ではすでに、4177本を打っている。流石にイチローは特別だ。