3001.2015年8月1日(土) ゼミ仲間と和気藹々の集いと合意不調のTPP交渉

 今日も朝から暑い。今年最高気温を記録した岐阜県多治見市は39.9℃だった。全国928観測地点のうち猛暑日は215地点で、これも今年最も多かった。また、30℃以上の真夏日を記録した観測地点も673となった。そんな中で明後3日にベオグラードに帰る山崎洋さんが、時間があればもう一度会いましょうと言ってくれたので、ゼミの仲間を誘い自由が丘でランチをともにしながら楽しく有意義な時間を過ごした。5人が集まったが、東横線自由が丘駅前に皆汗をびっしょり掻きながらやって来た。論客揃いなので、話題があちこちと拡散するが、それがとりわけ面白い。ギリシャの財政破綻問題からドイツ人気質について話すと、旧ユーゴ構成国から顰蹙を買うアレクサンドロス大王ひとり占めのマケドニア人の言動、更に旧ユーゴスラヴィア内のセルビア人の立場、はては私が高一の孫をアメリカへ連れ出して武者修行トレーニングを施すやり方等々について3時間余りもアルコール抜きで侃々諤々とやり合った。

 しかし、学生時代に社会政策のゼミで同じような専門科目を学んだ仲間たちと半世紀以上も付き合って、言いたい放題不躾に意見をぶつけ合えるのも楽しいものだ。これもゼミの学究的な雰囲気と亡くなられた恩師のお人柄のお陰だと思い、充実した学生時代を過ごさせてもらったことを感謝するとともに、有り難い気持ちになる。

 山崎さんは、ご尊父ブランコ・ヴケリッチ氏が終戦時網走で亡くなられて丁度70年という節目に当たる今年、セミナーを主宰されたセルビア大使館に招かれて今年2度目の来日となったものだが、折に触れて度々訪日されては、我々ゼミ仲間との絆をしっかり固めてくれる。こうなると現在小中陽太郎さんが執筆してくれている「ゾルゲ事件」をテーマにした作品が、山崎さん一家についてどんな描き方をされているのか、興味津々となってきた。

 さて、この4日間ハワイのマウイ島で開かれていた環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に出席された参加12カ国の閣僚会議は、大筋合意できずに閉幕した。これまで5年以上に亘って各国は合意に向け交渉してきたが、はっきり言って物別れに終わったと言えるようだ。来年の大統領選挙を控えて、アメリカも今度こそはの意気込みで臨んだが、結局各国の対立は解消できなかった。

 ことわが国にとっても、国内には農協団体など交渉妥結に反対を唱える勢力が存在する。特に農業と新薬の分野で妥協することができなかった。元々国によって地場生産品が異なるのに、同じ土俵で商いを行うことが問題解決を難しくしている。

 例えば、日本では米の生産量が年々減り、それが価格をつり上げる大きな要因となっているが、だからと言って簡単に輸入量を増やせば解決できると短絡的に考えることはできない。減少化傾向の農業従事者数の問題もあり、そう簡単に生産量を増やすことができない。さりとて外国産米を輸入すれば、日本における米生産は終末を迎えることになる。それは米ばかりに限らず、経費的な面だけを考えると乳製品もいずれ米と同じ運命を辿ることは明らかである。輸入で需要を賄えると考えると、将来的には食糧品はわが国で自給自足できない心配がある。そこへ世界的に大きな自然災害が発生し、農作物の絶対的な供給量が落ち込んだ場合、日本人が食する物が輸入できず、日本人は食べるものがなくなるという危機的な事態が考えられる。それらの点から、ある程度生産国が細々とではあっても生産を維持できる政策を考え、その言い分を受け入れた関税交渉を行い、世界共存という観点から致命的な問題を残す恐れがあることを念頭に入れて交渉することが重要であると考えている。さあ、もう少し時間をかけたうえで結論はどう出るか。

2015年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com