3741.2017年8月10日(木) 友人、滝鼻卓雄・元読売新聞社長の近著

 4月に早川書房から出版された滝鼻卓雄・元読売新聞社東京本社社長の著書「記者と権力」をさらっと読んだ。滝鼻氏は大学ゼミの友人であり、お互いに多忙の中にあっても細い糸のような交流を続けていた。亡き恩師のお孫さんの就職活動でも相談に乗ってもらったり、私が編集責任者を務めた恩師追悼文集発行に際しても原稿を寄せてもらった。

 その滝鼻氏の著書を「選択」7月号に紹介されているのを目にして、「本に遇う」欄で元朝日の河谷史夫氏の推奨文を読み、同じジャーナリストの河谷氏が記者の覚悟について触れた個所を褒めている。実際興味深くて読み易かったし、彼が社会部記者として苦労を重ねながらジャーナリストとしての実績を積んだ経緯がある程度理解出来た。面白いと思ったのは、わが自宅近くにかつて法務省高級官僚の官舎があり、最高裁長官や検事総長が就任前に住んでいたので、彼が取り上げたそれらの人たちの表札を見て名前だけは知ってもいた。思わずにんまりしてしまった。

 また、身近な例では、文中で採り上げたゼミの後輩と紹介した人物に思い当たる節があり、その人物とは先月に会ったばかりである。大学を中退し、長い間成田空港闘争に関わり、地域の社会運動でも忙しく活動していたゼミナリストである。当然仮名になっているが、いくつか相似点があるので、近い内に尋ねてみようと思っている。

 さて、北朝鮮のミサイル発射に関する昨日の北朝鮮側の挑発的な声明発表について、北朝鮮とアメリカの間で相手への非難口撃が、一層エスカレートしている。

 今日も北朝鮮軍の金絡謙・戦略軍司令官がとんでもないことを発表した。それによると中距離弾道弾ミサイル「火星12」号4発を、グアム島周辺海域30~40㎞に同時に着弾するよう発射する計画を検討しているという。ミサイルは日本の島根、広島、高知上空を通過するとも述べている。8月中旬までにその作戦計画を完成させ、金正恩・朝鮮労働党委員長に報告し、発射命令を待つという物騒な公式発表を行ったのである。グアム島30~40㎞は公海上であるが、仮に20㎞以内のアメリカ領内に誤着弾した場合は侵略戦争になりかねない。恐ろしいことである。

 これに対してアメリカのマティス国防長官は、金正恩政権の崩壊にまで言及し、挑発行為を止めない北朝鮮に対して「同盟国の軍事力はいまや地球上で最も正確で、訓練され、堅固な防衛・攻撃能力を保有していることに留意すべきだ」と軍事力行使を示唆した。

 どちらかが先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮が壊滅するのは分かり切っているが、それで日本も影響を受ける。アメリカの先制攻撃の可能性もなくはない。怖い世の中になってきたものだ。

2017年8月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com