3740.2017年8月9日(水) 被爆者に責められる安倍首相

 6日広島平和記念公園で原爆投下から72年目の式典が行われたが、長崎市でも今日原爆投下から同じく72年目の平和祈念式典が開かれた。田上富久市長が平和宣言の中で7月に国連が採択した核兵器禁止条約について触れ、条約は被爆者が長年積み上げて来た努力が形になったと評価しながらも、日本政府が条約交渉の会議にすら出席しない後ろ向きの姿勢を強く批判した。

 式典に出席した安倍首相は、「真に核兵器のない世界を実現するためには、核兵器保有国と非保有国双方の参画が必要で、わが国は非核三原則を堅持し、双方に働きかけを行うことを通じて国際社会を主導していく」と述べたが、具体的な施策について語らず、条約に署名、批准を行う考えはないとも語った。この後首相は被爆者と面会して要望書を手渡された際、代表の長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長から「あなたはどこの国の総理大臣ですか。私たちを見捨てるのですか」ときつい口調で問い詰められ、返す言葉もなかった。この場面は頑なな首相の表情が象徴的だった。

 果たしてこの式典出席者に首相の考えがどれほど届いただろうか。

 こんなぐだぐだしたことを言うより、唯一の被爆国として最も優位なメッセージを送れる日本が、核兵器という最も禁ずべき兵器の使用に正面から反対出来ない弱さを抱えていることが問題だと思う。アメリカに対しては言いたいことも言えず、属国的立場のまま黙っているが、いつまでこの蛇に睨まれたカエルでいるつもりなのか。

 つい最近もオーストラリア海域で墜落した普天間基地発のオスプレイについても、素人?の江崎鉄磨・沖縄担当大臣が、つい口をすべらし、日米地位協定の見直しに触れた途端、政府関係者が一斉に嫌なことを言ったと言わんばかりの態度を示すなどあまりにもアメリアを意識し過ぎた対応ではないだろうか。

 この件については沖縄県が米軍にオスプレイ飛行の自粛願いをしてもまったく聞き入れてもらえず、沖縄駐留米軍司令官ニコルソン中将が、横柄な態度で日本人記者団を突きっ放すような会見をするなどまるで占領軍気取りである。オスプレイは相も変わらず今日も沖縄上空を飛び回っている。

 戦後72年にして、ついに日本はアメリカの属国になったのか。

 さて、今日株価がど~んと下がった。前日に比べて257円も下げ、日経平均株価が19,738円となった。原因はアメリカと北朝鮮が北朝鮮のミサイル発射に伴う言い争いで、戦火が開きかねない緊迫した空気に市場が過敏に反応した北朝鮮リスクのせいである。北朝鮮は新型中距離弾道ミサイル「火星12」がアメリカ軍基地のあるグアム周辺の包囲射撃を検討していると警告する声明を発表した。これに反応したトランプ大統領は直ちに挑発行為を続ける北朝鮮に対して、「世界が経験したことのないような炎と怒りを受けることになる」と牽制した。つい最近までは、アメリカにとってIS(イスラム国)が当面の厄介者だったが、今では誰に操つられているのか金正恩委員長が支配する北朝鮮が当面の敵となった。

 それにしても北朝鮮の凶器は、日本にとって株価下落どころではない脅威となってきたようだ。

2017年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com