正午現在都心で35℃を上回り、東京都内では連続5日間猛暑日を記録した。これは明治8年気象庁が観測を始めて以来140年間で初めだてそうである。こんな酷暑の下で5年後には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されると思うと本当に大丈夫かなと考えてしまう。
前回の東京大会は、秋晴れの下で青空を臨んで行われた。確か前日までの雨がからりと晴れ、開会式を実況放送したアナの声も生き生きとしてこの日を待っていましたと言わんばかりに感激と溌剌として気持ちが乗り移っていたようだった。国民も晴れ晴れしい気持ちで開会式の朝を迎えたと思う。そのくらいあの時の秋空の開会式が強い印象を残した。それが時移ると、真夏の最中に大会を実施しようという、キチガイじみた舞台を演出しようとする人たちがいるようだ。この酷暑という最悪の真夏に開催する理由としては、2つばかり考えられる。
まず、サッカーの盛んなヨーロッパ各国で、恒例の国内リーグ戦が始まることから、各国ともスケジュールを変更できないという事情があるようだ。そんなことは不可能とも思えないが・・・。
もうひとつの理由は、全世界のオリンピック・テレビ国際放映権を有するアメリカの業者が、オリンピックのためだけにその他既定のスケジュールを変更することに首を縦に振らないかららしい。いくら世界の祭典と言われるオリンピックでも、商業ベースが絡むと既定のスケジュールを動かすことができないということなのである。こうして現状では、燦々と太陽が降り注ぐ酷暑の7月下旬から、東京オリンピック・パラリンピックは開催されることになる。
今では東京の夏もインド人がびっくりするほどの暑さとなった。カレーライスが日本人に好まれるわけである。地球温暖化のせいとは言え、このまま年々猛暑が進むと地球全体に自然界のみならず、冷房設備の進化、普及により電力の消費が進み、つまるところ原発稼働という人類にとっても解決できない難しい問題を発生させる。人類の進歩がいびつな現象を生むのではないかとちょっぴり心配になる。こういう炎暑の中でスポーツを始め、いろいろなイベントが行われるが、こういうスポーツのあり方はこれで良いのだろうか。
さて、ネットで思いあがって発言した若い自民党衆議院議員・武藤貴也氏が批判に晒されている。安保関連法案に反対している学生団体SEALDsに対して「戦争に行きたくないからと言って反対するのは自己中心、極端な利己的な考えだ」などととんでもないことをツィッターで発信したことが物議を醸している。この36歳の若い代議士は、戦争へ喜んで行くような若者がいると思っているのだろうか。自分自身は果たして戦地へ赴く気持ちがあるのだろうか。戦争に行くことに反対するのは、自分自身のためだけではなく、誰ひとりとして戦争には行かせたくないという信念を述べているので、これが自己中心と考えるようでは、論理的に物事を考えられる人物ではない。こういう人物が国会議員に選ばれること自体がおかしい。
昨日自らの発言を撤回し陳謝はしたが、未だすっきり解決したとは思えない礒崎陽輔首相補佐官の「法的安定性」発言があったばかりで、いままた武藤議員の不穏当なメッセージが発言されたが、国会議員もこれ以上低次元の発言を行うのではなく、もう少し事実をよく考えて、まともな発言をしてもらいたいものである。