3年に及ぶ朝鮮戦争の戦闘が止み休戦となって今日で64年になる。1950年朝鮮戦争が勃発した時、小学校6年生だった。担任の湯浅和先生が朝鮮戦争について解説してくれ、ラジオでも戦地の地名を韓国語で放送するので、子どもだった我々は面白がって都市名を憶えたものである。そしてその3年後、京都で中学3年生の時戦争は終わった。今日のこの日に北朝鮮が核弾道弾ICBMを発射するのではないかと、日米韓が神経質なほど警戒を強めていたが、結局大山鳴動して鼠1匹の有様だった。
ところが、国内では問題発言だらけの稲田朋美防衛相が、ついに辞任の意向を表明した。それと同時に、意外にも民進党の蓮舫代表も突然辞意を表明した。先日次の衆議院選では、参議院議員を辞めて鞍替え立候補すると意欲満々だったように思えたが、本人の気持ちはどうなのだろうか。どうも背後から鉄砲を向けられたという次元の低い話が聞かれる。ともかくこれで民進党は野田書記長ともどもトップ2人が交代する。本来なら落ち目の自民党を尻目にその受け皿になるべき筈の政党がこの体たらくである。今後民進党の再起はあり得るだろうか。
今日は、日本ペンクラブで初めての財務委員会が開催され、すでに大原雄委員長から委員を委嘱されていたので、それなりの自覚を持って出席した。ペンクラブの財政状況は年々悪化している。これをどう立て直すのかということが喫緊の課題である。一般社団法人という組織は、私の知る限り普通の民間企業とは大分財務や経理関係についての考え方とやり方が違う。多少決算書は調べたが、もう少し勉強して財務体質をどう強固にすべきか考えたいと思っている。
さて、訪日観光客が増え続けて、2016年の外国人旅行客は対前年21.8%増の成長ぶりで2,400万人を記録し、これからも増加すると希望的に推測されている。実質的には何もやらない観光庁辺りは、インバウンド業務こそが外貨を稼ぎ財政基盤固めに貢献していると得意満面である。
今後の外国人受け入れのためと称して、他分野ではあまり考えられないイージーな規制緩和を考えている。資格を有する通訳が足りなくなったからと言っては、通訳資格のハードルを下げたり、ホテルが不足すると言っては安易に民宿を認可したり、まったく長期的な見通しを欠くようなことを平気で行っている。その結果後者については、騒音やゴミ出しなどで宿泊客が民宿の周辺住民に大迷惑をかけるようなことを行っている。
実は、昨晩ある民放テレビがバルセロナ市内の観光公害の様子を映し出していた。市民が環境破壊のにわか住民に手を焼き、中には他所へ逃げ出す市民も相当いるという。短期間借り切ったアパートで騒いだり、男女構わず立小便する衛生問題などでにわか住民によって仲良しだった隣組の住環境を破壊され、市民は悲鳴を上げていた。
偶々朝日朝刊にもローマ市内の観光客のマナーの悪さに対する苦情が取り上げられていた。あまりにもマナーの悪い観光客に手を焼いたローマ市が、試験的に規制強化に乗り出したそうである。罰金の最高額は「トレビの泉」の中の水浴びで約3万円だという。
バルセロナにせよ、ローマにせよ、いずれもオリンピックを開催したことがある世界的観光地である。それらの都市がにわか観光客の対応に往生しているのだ。
日本の観光庁はいかにも官僚らしく現実と実態を知らずに、見聞録ならぬ忖度された伝聞情報だけを真に受けて対応する一面が強いが、今になって外貨を稼ぎだしたインバウンド景気ばかりに浮かれていると、東京だってバルセロナやローマの二の舞を演じないとも限らない。