3725.2017年7月25日(火) 死して犬養道子さんの評価は?

 昨日評論家の犬養道子さんが亡くなられた。享年96歳だから天寿を全うされたと言えるだろう。難民救済やキリスト教研究の著作で知られているが、1932年に5.15事件で祖父犬養毅が暗殺されたことが、とりわけ衝撃的で同情を呼ぶ事件として知られている。海外留学経験が豊富で、聖書について学ばれたことが「聖書を旅する」全10巻など聖書研究書を数多く世に出すきっかけとなった。初期の作品「私のアメリカ」もわが蔵書の1冊として書棚に置いてある。著作が高い評価を得た反面、旧ユーゴスラビア内戦などを取材した過程で、コソボのキリスト教徒から偏って知らされた情報がセルビアやコソボに関する彼女の理解の正当性に疑問を持たれてもいる。

 実際セルビアの友人・山崎洋さんから度々聞いたことだが、あれほど博識でインテリの犬養さんだが、旧ユーゴに関する知識は、コソボのキリスト教徒から教えられた偏った情報に固執して、全体的にセルビアの民族問題を見ることをせず、部分的、閉鎖的な視点で見ており、その見方は全体像を捉えていないと厳しく批判されていた。人の評価は棺に蓋を閉じた後に下されるというが、犬養道子さんも、或いはこれから厳しく評価されることになるかも知れない。

 さて、今日も昼間のテレビは、参議院予算委員会閉会中審査の実況中継を伝えていた。安倍首相以下政府側の出席者に対する野党側の質問に対する回答は、どう見ても首相らが国民が納得出来る説明をしていない。加計学園の獣医学部認可を知ったのは、今年1月20日との首相の回答はどう考えてもおかしい。虚偽の応えと何となく分かるが、これを証明する手段がない。

 また、首相と加計学園理事長とは14回もゴルフ、食事をともにしながら、2人の間に獣医学部申請の話がまったく出なかったというのも常識的には考えられない。

 更に2013年に加計学園職員の間で、2人の交友から獣医学部設置の動きがあったことに対して反対の声が強かったことから、理事長は首相と獣医学部設置について話し、その事実を職員に伝えていたことは明らかである。

 2015年4月今治市職員が首相官邸を訪れたが、誰と会ったかの記録もない。こんな好い加減なことがあり得ようか。

 政界とは欺瞞とウソの世界と言われているが、この加計学園問題にしても関係者の間に虚偽と隠ぺいが渦巻いていることは明白である。これを追い詰められないようでは、国会は無力としか言いようがないではないか。

2017年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com