3706.2017年7月6日(木) 九州北部に記録的豪雨

 北九州地方で昨日まで激しく降っていた雨が、今日も降りやまず、同地方は福岡県朝倉市、大分県日田市を中心に記録的な大雨をもたらした。昨晩NHKニュースは豪雨の生々しい現地中継を主に放映したため時間が延長され、7時のニュースが9時のニュース時間帯にまで食い込んでしまうほどだった。

 今日も福岡、大分地方では豪雨となり記録的な降雨量を計測した。長時間に亘る雨を線状降水帯と呼ぶそうだが、朝倉市、日田市のいずれも観測史上24時間の降水量は最大だった。因みに朝倉市は544㎜、日田市は370㎜だった。今日NHKではひっきりなしに土砂崩壊、河川決壊の状況を映し出していた。道路も寸断し、一部の鉄道でも運休が続いている。JR久大線一部区間でも鉄橋の橋脚がすべて倒れて線路自体がずたずたに寸断されている。避難者の数はかなりの数に達するようだ。

  今日の大雨の後「台風去って一安心」かと思いきや、今晩も明日にかけて局地的に激しい雨が予想されている。昨年の熊本地震以来九州地方は自然界の神に呪われ、今年も福岡と大分の豪雨のように集中的に自然災害に襲われている。避難勧告により避難所へ向かう家族連れの姿が弱々しく、気の毒に思える。

 さて、日本とEUとの間で経済連携協定(EPA)交渉の大枠が合意された。トランプ大統領の保護主義的な動きに反発を強めているEUが、積極的に日本との交渉に乗り出していた。この合意は世界の経済・貿易の3割を占める大経済圏となるばかりでなく、アメリカ・トランプ政権の保護主義「アメリカ・ファースト」に対する牽制ともなる。ゆくゆくは日欧間に関税をなくそうとの期待であるが、現時点でも関税がなくなる品目は全体の95%に達するという。

 ただ、合意すべて良しというわけには行かない。例えば、車の輸出は現状で10%の関税を課せられているが、発効7年後には関税撤廃となり、自動車業界にとってはほくそ笑むことになるが、酪農、農業従事者にとってはむしろマイナスとなる。現在チーズの輸入には29.8%の関税がかけられているが、15年以内にゼロとなる。チーズ製造にかかわる人たちにとっては、大いなるマイナスである。一部にメリットがある反面、他部門にデメリットが出るようでは、手放しでは喜べない。自由貿易制の下で物価を下げるという目標は大いに結構であるが、負担を負わなければならない部門には、国が温かい支援策を考えてあげることが大切であると思う。

2017年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com