今年の終戦70周年に当たっては、安保関連法案の成立が関わっているせいか、戦争に関するメディアの取り上げ方が例年に比べて多いようだ。昨晩もNHKで1時間に亘り「カラーで甦る太平洋戦争」を観ていたが、日本側が撮った映像ばかりでなく、アメリカが撮影したカラー画像もふんだんに紹介されていた。今まで気付かなかったが、モノクロで撮った映像がカラー付けされるとそれまで気付かなかった陰とか、凹凸がはっきり見え立体的な写真になるのには驚いた。それにしても戦場で晒される日本兵の遺体を見るのは、気持ちの好いものではない。
同じように今晩もNHKスペシャル「『終戦』緊迫の7日間」が、8月15日以降も続いた知られざる日本の危機として戦後スタートへの英断を紹介していた。ポツダム宣言受諾、天皇の玉音放送の後も大本営では一部軍人が不穏な行動を引き起こすことを警戒し、各地で勃発した軍内部の騒乱、米軍機を攻撃した日本軍機などトラブルの収束と、米軍の進駐に対する駆け引きなど突風のような動きがあったことを丁寧に見せてくれた。
さて、中国・天津市で起きた倉庫爆発では、予想以上に被害が大きくなっているようだ。現時点で100名を超える犠牲者の他に、700名を超える負傷者が報告され、今後も死傷者が増える可能性がある。2度に亘って爆発があったが、消火隊が放水したことによって爆発を引き起こし、被害が拡大したと言われている。実際犠牲者のうち消防隊員の犠牲者が85名と圧倒的多数ということを考えると、化学薬品が貯蔵されていたことを彼らが知らされていなかったことが分かる。水をかけることによって化学反応を起こして爆発する化学薬品が貯蔵されていたと当局が公表した。
近年の中国の経済成長は目覚ましいばかりだが、それも貿易量の増加が著しいからである。それが、受け入れ窓口のひとつになっている天津港における輸出入の取扱高の伸長ぶりに表れている。今回の爆発事故により、不幸にも港湾施設、特に税関設備が破壊され、当分の間輸出入製品の取り扱いができなくなってしまった。陸揚げされた新車1万台が爆発の影響を受けている日系企業もトヨタ、イオンを始め、数多くの企業にその影響が及んでいる。一日も早く荒れた事態を収束し、原因を究明して2度とこのような事故を起こさないよう願っている。