新旧交代期と言うべきであろうか、近年各分野で若い世代、それも格別若い人たちの活躍が目立っている。一番驚くのは、将棋界であっという間に公式戦20連勝で飛び出てきた、愛知県出身14歳の中学生・藤井総太四段の颯爽としたデビューである。これで竜王戦決勝トーナメント進出に続き、棋王挑戦トーナメントに参戦することが決まった。将棋、囲碁の世界というとどちらかと言えば、中高年が活躍する世界との印象が定着していたが、ひとりの中学生棋士の出現によってガラリとイメージが変わったような気がする。
スポーツ界では、現在ドイツのデュッセルドルフで開催中の世界卓球選手権で、今日男女を通じて史上最年少で男子ベスト8入りを決めた13歳の張本智和選手の活躍が目立っている。女子では17歳の平野美宇選手が準決勝で世界チャンピオン丁寧選手に敗れたが、女子シングルでは実に48年ぶりという銅メダルを獲得した。他にもサッカーU20日本代表チームで20歳以下の選手の中で、僅か15歳にして代表に選出された久保建英選手の活躍が目覚ましい。それに引き換え、プロ野球界では異常な事態が起きている。かつて9連覇を成し遂げた読売巨人軍が今日も敗れ、実に13年ぶりに9連敗を喫した。時代に逆行してロートル選手が少々多すぎるのではないだろうか。
若手の活躍は、フレッシュさを感じるし、将来に期待感を持てて頼もしい気持ちになる。願わくば、最も有能な人材が求められる政界にはフレッシュな政治家が出現することを願いたいところであるが、どうしても「政治=世襲=因習」のイメージが強く旧態依然の集合体と思われるだけに、果たしてどうであろうか。
つい昨日目の前にマイナス要素の見本がぶらさがった。アメリカのトランプ大統領は世襲とは見られていないようだが、父親から多くの不動産を継承して財を成した。45人の歴代大統領の中でも70歳の最高齢で大統領に就任した、年齢的にはとてもアメリカ大統領らしからぬお人である。性格的にも意固地で発想も柔軟性に欠けるように思える。イメージ的にも43歳最年少で就任したケネディ大統領や、47歳でその地位に就いたオバマ大統領のように、颯爽とした清々しさがなく、暴力的で口汚く喚き散らしているイメージが強い。部外者の勝手な希望だが、他にもスキャンダルを抱えているようでもあるし、早いところ大統領を辞めてもらいたいというのが世界的な世論ではないだろうか。
出来得れば、アメリカ政界には非トランプ的なフレッシュな若い人たちに期待したいものである。アメリカのパリ協定離脱によって、早晩老いさらばえたトランプ大統領は想像もしなかった壁にぶち当たることになるだろう。