今朝またもや北朝鮮でミサイルが発射されたとのニュースに接した。2日間も続けてよくもやってくれるものだと思っていたが、どうも情報がおかしい。テレビ・ニュースでは昨日の対空ミサイル発射についてまったく話がない。朝刊を見てもどこにも昨日午後打ち上げたミサイルに関連する記事が載っていない。昨晩はあれほど派手に新型のミサイル発射と騒いでいたのに、今朝のテレビ・ニュースはこのことに一言も触れていない。不思議な話である。昼近くになってどうも昨晩のミサイル発射はなかったらしいと思わせられた。
今朝の発射は、今月に入って3度目の打ち上げと言っていたが、それは昨日の話だ。今朝のミサイル発射は今月に入って4度目の筈である。どうも昨日のミサイルは本物ではなかったようだ。ミサイル発射は確証のないフェイク・情報だったことになる。それに対して、どのテレビ局も素直に過ちを認めたり、謝罪することもなく、昨日あれほど新型ミサイルを打ち上げたと、北京やソウル駐在員のコメントを添えて放映されたニュースをいとも簡単に彼方へやってしまった。視聴者には嘘をつき、間違いを正すこともなく次のステージへ話を進めていった。夕刊を見ても昨日の発射についてはまったく触れられていない。このように無責任で恥知らずだからメディアは困る。このいい加減さは何とかならないか。
ところで昨日のフェイク・ミサイルに代わって今朝本当に発射した弾道ミサイルは、日本の経済水域内に、しかも隠岐の島から僅か約300㎞の日本海に落下した。北朝鮮の労働新聞は「アメリカが正しい選択をする時まで高度に精密化、多種化された核兵器と攻撃手段を更に多く製造する」と身勝手なことを書いている。どうにもならない厄介な国である。これに対して昨日佐藤栄作、吉田茂に次ぎ戦後長期間在位首相第3位になった安倍首相は、「G7で北朝鮮問題は国際社会の最優先事項だ。北朝鮮を抑止するため、アメリカとともに具体的な行動をとっていく」と強調した。最早北朝鮮に対して日本独自の切り出す札はなく、最近は具体的な行動を取れなかったが、アメリカとともに果たしてどんな具体案があるのだろうか。
トランプ大統領は、メディアと対立してG7終了後も記者会見を開かなかった。これも異例である。安倍首相について今夕の朝日「素粒子」欄に「安倍首相が戦後3位に。『もり』『かけ』にもめげず。だが慢心は支持を『ざる』に。『きつね』も『たぬき』もいる政界で」と冷やかして書かれている。森友学園と加計算学園との不自然な関係を皮肉られているのだ。首相も降りかかった煤を取り払わなければなるまい。
そんなすっきりしない中で、アメリカから日本人選手が活躍した明るいニュースが入ってきた。F1モナコ・グランプリ、ルマン24時間耐久レースとともに、自動車の世界3大レースと言われる第101回インディ500(正式には「インディアナポリス500マイル」)で日本人として初めて佐藤琢磨選手が優勝したのである。この種のレースには、ほとんど関心はないが、この100年を超える伝統のレースには、世界中から耳目が集まっている。
偶々1981年秋、旧文部省教員海外視察団のお供でチャウシェスク時代にルーマニアのシビウと、オーストリアのザルツブルグで教育施設を視察して最後の学校訪問地としてこのインディアナポリスに5泊して、学校など教育施設を視察した後、教育委員会から特別にこのインディ500のレース場を見学させてもらったことがある。インディ500は現地の人々が誇りとしているレースであり、レース場である。その時アメリカの先生から、いつか日本の選手もこちらで優勝カップを獲得してほしいとお世辞を言われたことがある。とてもその時は無理だろうと日本の先生たちと話し合ったが、あれから36年を経て現実のものとなった。何となく嬉しい気分である。