3024.2015年8月24日(月) 公営鉄道会社が乗客の要請に応える時代

 台風15号と16号が日本近海を襲い、その内16号は小笠原諸島を通過した後北上しながら東方へ去って行ったので、日本本土にはさほどの影響はなかったが、スピードの遅い15号が昨日沖縄諸島に上陸した。石垣島観測史上で最大瞬間風速71mを記録した。これはわが国観測史上でも7番目の風速だそうである。人的被害はなく幸いだったが、駐車場に停まっていた車が軒並みひっくり返され、壊れたまま仰向けになっていた。電柱も倒れ、波止場では船が転覆している惨状を見せていた。こういう荒れた自然の猛威は防ぎようがないから恐ろしい。今年は概して台風に襲われることが多い。また、15号はルートがいつもとは異なり九州から四国、中国地方を通過して朝鮮半島からロシア方面へ抜けるというのも珍しいようだ。幸い関東方面は台風の被害から逃れられるようでホッとしている。

 今日もうひとつ驚いたのは、今年最大の東京証券市場の株価の下げ幅である。日経平均株価は一時930円を超える値下げで、終値は18,540円となり先週末に比べて895円も下げた。円高も進み約3円も高くなった。アメリカでもダウ平均が一時1000$を超える値下げを示し、世界的に大幅な株安となった。主体的には中国経済の減速が大きな要因であるが、アメリカの金融政策によるところも大きい。

 さて、朝鮮半島の南北国境線周辺で起きた地雷爆発による韓国軍兵士の負傷事件で、一昨日来高位級会談を持っている韓国と北朝鮮だが中々話し合いがまとまらない。北は準戦時体制と脅しをかけているが、実際保有する潜水艦のうち7割がすでに軍港を出港しているという。その一方で北は韓国が行っている拡声器による大音響宣伝放送を止めるよう韓国に伝えているが、韓国側としてはそれ以前に今回の事件の発端となった軍事境界線近くの事故について謝罪と再発防止を要求し、双方とも一向に譲らず、意地とメンツの張り合いになっている。お互いに突っ張っているが、どこに落とし所を見つけるのだろうか。

 ところで、今年3月北陸新幹線が開通して沿線駅の観光事情を変えさせるくらい大きな人の移動を生んだが、つい先日JR寝台特急ブルートレイン「北斗星」が姿を消して27年の歴史に幕を閉じた。一方で、今日8月24日つくば市と秋葉原を結ぶ「つくばエクスプレス」が開業10周年を迎えた。近年日本への外国人旅行者の数が増え、それが日本の貿易収支にも良い影響を与えている。その中で「つくばエクスプレス」は、観光路線というより学園都市つくば市と都心を結ぶ通勤路線として1日の輸送人員は初年度の15万人から昨年は32万6千人に増え、新規開業にしては珍しく経営は安定している。しかもこれはJR常磐線の混雑緩和を目的として計画された路線であるが、実際はJRの経営ではなく、沿線自治体が出資する第三セクターの経営による珍しい成功例である。

 実は、10年前の開業1カ月前にこの鉄道に試乗させてもらい、つくば市まで往復乗車した。その時感じたことは、つくば研究学園都市と都心を結ぶ鉄道であるので、その間研究者が有効に乗車時間を利用するためにどの座席でもパソコンを利用できるよう設備されていることだった。実際今日の夕刊には往復の間は車内が研究室だと述べている学者がいた。時代も変わったが、公営企業も少しは時代の要請に応えるようになってきたということだろうか。

2015年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com