3639.2017年4月30日(日) 戦争に一歩一歩近づく安倍政治

 北朝鮮のもたらした緊迫した情勢の朝鮮半島へ向けて北上するアメリカ原子力空母「カール・ビンソン」が対馬海峡から日本海へ入り、韓国海軍と合同訓練に入った。その様子を昨日からしきりに日本サイドで実況放送しているような按配である。曰く長崎・壱岐の北西約20㎞を航行中という具合である。まったく呑気なものである。

 そして何となく嫌な感じの戦時色が感じられると思っていたら、防衛問題音痴の稲田朋美・防衛相が北朝鮮情勢に一石を投じるように一昨年成立した安全保障関連法の実施を命じた。この安保関連法は、自衛隊防護のためとお墨付きのある法令だが、法令が実行に移された実情はこうだ。

 横須賀基地を出た海上自衛隊の護衛艦「いずも」が、「カール・ビンソン」に補給するアメリカ海軍の補給艦と合流し、四国沖まで一緒に航行するというものだ。海上自衛艦が間接的に北朝鮮に圧力をかけに行く「カール・ビンソン」に手を貸すことになる。これでは海上自衛隊は戦争に手を染めつつあると言われても否とは言えまい。あれだけ強かった反対の声を押し切って強引に強硬採決で通過した安保関連法が実行されるのは、昨年の南スーダンのPKO陸上自衛隊駆けつけ警護に次いで、早くも2度目である。日本は密かに戦争介入に一歩ずつ近づいている。あれもこれも防衛問題や、戦争の怖さを知らない稲田防衛相が、安倍首相の右へ右への気持ちを忖度して、なりふり構わず戦争の道へ手を貸そうとするからである。

 こんな大事な時に安倍首相は、森友問題で批判に晒されている昭恵夫人とともにロシア、イギリスを訪問中であるが、少々危機管理に問題があるのではないかと心配である。狂信的な北朝鮮の行動を見るにつけ、最高権力者の首相がこの間度々国を留守にし、夫人は証人喚問の追及を逃れるように夫に随行する。なぜかこの夫婦の行動は常識的な動きのようには見えない。

 更に昨日海上自衛隊佐世保基地にフランスの強襲揚陸艦「ミストラル」が寄港した。日米英仏4カ国による初の合同訓練に参加するため訪れたものだ。合同訓練は、来月グアム沖で行われる。いよいよ自衛隊の動きが広域的で戦闘的になってきた。

 それにしても一歩間違えれば戦端に触れる安保関連法の施行に、強い不安の声が上がらないのも恐ろしい。作為的な伝え方のため国民が知らされないのか、メディアの伝え方がまずいのか、気が付いたら国民は戦争に巻き込まれていたという戦前と同じような最悪の事態にならないか。日本が徹底的に痛めつけられた戦争体験がまったく生かされていない。戦争体験のない、安倍首相や稲田防衛相が、深く考えることもなく、深刻な問題を机上の計画として淡々と進めていることが余計不安を募らせる。

 さて、今朝の新聞でIT企業ヤフー創業者のひとり、前社長井上雅博氏がアメリカで交通事故に遭い60歳で亡くなったと大きく報じられている。かつては、ソフトバンクの孫正義氏の側近でともにヤフーを起ち上げたが、業績の伸びが鈍化するとともに社長を退き、その後アメリカで活動していた。不運にも事故により亡くなられたのはお気の毒としか言いようがない。その井上氏死亡記事の脇に、古瓦の記録やお寺の歴史を通して「法隆寺学」を提唱した学者でもあった高田良信氏が亡くなったとの公告が掲載されていた。寡聞にして高田氏については存じ上げなかった。氏は法隆寺長老で、かつ法隆寺第128世住職でもあった。私は住職の死因の方が気になった。死因は「老衰」である。男の平均寿命が80歳を超えている現在その平均寿命にも達しない76歳で老衰ということなら、今78歳の私がポックリ彼岸へ旅立ったら立派な「老衰」死ということになるだろう。それにしても76歳で老衰とは初めて知った。まあ縁起でもないから、訃報についてはここまで。

2017年4月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com