3636.2017年4月27日(木) 「政公報」という言葉の意味

 昨日行われたNPO「知的生産の技術研究会」(略称:知研)セミナーの主催者である知研理事長・久恒啓一多摩大学副学長が、ご自分の昨日付ブログに私の講演について写真を付して取り上げてくれ、その講義内容を紹介してくれた。キューバ革命やキューバ社会主義国創建ばかりでなく、他国の社会主義国建設に関しても熱を入れて話したつもりである。他の社会主義革命を成し遂げた独裁者たちは、キューバの革命家カストロたちと異なり権力志向が極めて強い。自らの権力基盤を固めるために毛沢東や、スターリンらは残忍な虐殺により多くの同国人を葬った例をいくつか述べたが、その辺も数字を添えた具体例を掲載してくれている。キューバの素晴らしい国造りについて蘊蓄を傾けたつもりだが、その点を評価していただいたことは嬉しいことである。

 久恒副学長には来月17日にやはりNPO法人「JAPAN NOW観光情報協会」の総会終了後に基調講演をお願いしているところであり、今日も事務局と細かい取扱いについて連絡を取ったばかりである。

 さて、昨日復興大臣を辞めた今村雅弘氏に代わって被災地福島県選出の吉野正芳・衆院議員が就任した。今村前復興相に対する厳しい批判に対して、今村氏が所属する二階派の親分、二階俊博・自民党幹事長は「言葉の誤解があった場合、いちいち首を取るまで張り切っていかなくてもいいんじゃないか」と、逆にメディアを牽制、批判する発言をした。これに対して野党からは「幹事長がそんな軽い判断をしているから同じような発言が政権から出る。全体に緩んでいる」と反論が出ている。これは与野党ともお互いさまで、どっちもどっちだと思う。政治家の間ではよくあることだ。早速批判された朝日は、今日の夕刊「素粒子」欄に「一行悪いところがあったらすぐ『首を取れ』と。二階幹事長がマスコミや首相に八つ当たり。おごりの根は深く」と皮肉っぽく反論している。政治家対メディアの対立は今に始まったことではない。問題の根源は双方が国民の気持ちをまったく理解していないことにある。

 スポーツ用語に「正攻法」という言葉がある。奇襲などを行わず正々堂々と攻めることである。一方で「正攻法」ならぬ「政公報」という言葉もある。これは「政=政治家、公=官僚、報=報道」を表し、政治家、官僚、そしてメディアといずれも本来の業務は別に、それぞれが自らの職を武器に相手を蹴落とすためだけに動く集団のことだ。「自分勝手」「傲慢」「無責任」などを我知らず行うことでもある。つまり言葉を換えれば、他人の気持ちを考えない点で政治家もメディアも同じ穴のムジナということである。もう少し是々非々を弁えお互いを配慮するような大人になれないものだろうか。

2017年4月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com