一昨日「維新の党」を離党した同党最高顧問の橋下徹大阪市長が、「党が割れるようなことはしない」とか、「自分と松井大阪府知事『維新の党』を離れて大阪、関西の地方政治に集中する」と言って党を去って行きながら、舌の根も乾かぬ内に早くも昨日離党談話を撤回した。代表を務める地域政党「大阪維新の会」全体会議で新党結成の方針を明らかにしたのだ。
自分が中心となって結成した「維新の党」を党内抗争から身勝手に離れ、別に新党を結成する橋下市長という人物は、世間に話題を提供し自分が注目されることで気分を良くする人である。それが、このような無節操な言動となった。いくら何でも昨日国民に語った重要な事柄を、その翌日にいとも簡単に否定するとは軽薄を通り越して嘘つき常連人と言ってやりたくなる。まったく信用できない。市長の自己主張は傍の迷惑を顧みず、思い立ったら一方的に突っ走る点でタチが悪い。これまでも大阪府知事の座を簡単に捨てて大阪市長選に立候補して市長になったり、大阪都構想を掲げて大阪府民にアピールして、それが敗れるや政界からの引退を宣言したのはつい最近6月のことだった。それが性格的にすぐ考えが変わりやすいうえに、政治家としての旨味を知ってしまったが故に、国民への約束なんていとも簡単に発言を反故にするような男である。こういう不誠実で信用ならない人物を国、地域の代表である政治家として選ぶことは日本人全体の信用を失墜することにもならないだろうか。それより大阪の住民は、この噓つき男を自分たちの代弁者として議会へ送り出すことをどのように感じているだろうか。
橋下氏は「大阪維新の会で国政政党をやる」とはっきり公言した。選挙民に対してこのような大それた嘘をつくことを平然とやってのける男なのである。一部の人間に受け入れられそうなアドバルーンを打ち上げては裏切っている。こういう無責任な悪党は、これまでどんな分野にもいなかったと思う。法律に触れることをやっているわけではないにせよ、もう少し節操、誠実さ、責任感を持って、一度口外したら簡単に自説を曲げないくらいの良識を持ってもらいたい。このような噓つき政治家の思考回路はどうしても理解できないし、とても応援する気分にはなれない。むしろ立候補して落選することを願う。こういう嘘つきが蔓延ることが日本をダメにするということを、弁護士でもある橋下氏は意識しているのだろうか。人間としてまったく信用できない。彼の存在自体が不愉快である。