3626.2017年4月17日(月) 大統領に権力集中、トルコ憲法改正へ

  昨日トルコで憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、賛成51.4%、反対48.6%の僅差で改憲賛成者が上回った。今回の改憲では、エルドアン大統領の権限を拡大し、大統領への権力集中が一層強まることになる。死刑制度も復活させる意向のようだが、それは念願のEU加盟をより困難にさせるのでどう対応するか。

 現在の大統領制は言え中立を求められ、立法は議院内閣制的性格を帯びている。これが憲法改正により実権型大統領制となり、よほど気をつけないと大統領が独裁者の道を歩むことになる恐れがある。今度の改憲でどれだけ大統領の権限が強化されるかと言えば、

①大統領は国家元首と行政の長を兼ねる。

②副大統領(新設)、閣僚、高官の任免権

③国会解散、政令や非常事態宣言発令の権限付与

④憲法裁判事指名など司法人事権の掌握

⑤大統領の正統所属や与党党首就任が可能(これまでは中立であるため、政党所属は認められていなかった)

⑥大統領と国会は5年に1度の同日選挙で選ばれる。

 とかなり強大な権限が付与されることになる。この点で、最近参考になる事象があった。韓国の朴槿恵前大統領が失脚したことについて韓国国民の間には、大統領への権力集中が強まったことが大きな原因として反省点に挙げられた。むしろ、日本型議院内閣制の方が実情に即しているとして、議院内閣制が一部で検討されているようだが、トルコも余程エルドアン大統領による実権大統領制の権限行使を監視しないと、いずれクーデターなんてことになりかねない。

 さて、今日日本ペンクラブで2月の選挙で選任された新理事20名による初の理事会が招集され、新しい会長候補者が決まった。新会長及びわれわれ新理事は6月の総会で正式に決定される。ペンクラブには純然たる文学者の団体として、言論や表現の自由を守り抜くことを始めとして地味ながらいくつか重要な課題を課せられ、期待されている。責任が重い。この点を肝に銘じてペンクラブ発展のために尽くしていくことが大切だと改めて覚悟している。

2017年4月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com