総務省が昨年10月時点の日本の人口推計を発表した。50年後の人口推計については、つい先日国立社会保障・人口問題研究所が発表したばかりである。
昨年の推計によれば、総人口は1億2693万人で、6年連続で減少している。これで今後の課題は一層はっきりした。2008年をピークに人口は漸減傾向にあり、少子高齢化現象が益々顕著になった。65歳以上の高齢者の、全人口に占める割合は27%を超えて過去最高となった。この傾向のまま推移するなら、今後益々高齢者が増え、彼らに掛かる社会保障費用負担は増加し、年金財政の改革が不可欠となる。それは充分理解出来る。だが、それ以上に政治家に国家財政の赤字を解消しようとの意欲が見えないことがより問題である。毎年財政的赤字を生んでいながら、その場しのぎで安易に国債発行で賄おうとする政治家、官僚には根本的に赤字財政改革に対する気持ちが欠けている。
今回指摘された項目の中で興味を抱いたのは、労働の担い手となる15歳~64歳の「生産年齢人口」が大きく減り、総人口に占める割合が60.3%となったことである。これは若者が戦争に狩り出された終戦直後の60.0%に次ぐものである。これを補っているのが政府による外国人労働者受け入れ政策で、長期滞在をする外国人なのである。2015年10月から16年9月にかけて日本に3カ月以上滞在した外国人は240万人もいた。外国人の流入は過去5年間で50万人も増え、4年連続の増加である。これからも当分この傾向は続くことだろう。
都市部の人口が増える大都市肥大化・地方過疎化の傾向は相変わらずで、東京を中心にした首都圏の人口が増え続けている。最も増えたのは東京であるが、次いで沖縄というのは意外だった。他には首都圏の埼玉、千葉、神奈川が増え、その他の県では愛知、福岡が増加した。
その一方で、意外にも大阪、京都、兵庫など関西地区の大都市圏の人口はやや減少した。首都東京への集中は圧倒的で、東京一極集中傾向は益々強まるようだ。
わが家の周辺でも空き地はどんどん失われ、ちょっとしたスペースにはマンションが建ち、狭い場所には一戸建て住宅が窮屈そうに軒先が押し合いへし合いするように建っている。昔はどこの住宅にもあった庭のある家が少なくなった。人の移動が、都市、住宅の形まで変えているのだ。
さて、今日金日成生誕105年の記念日を迎えた北朝鮮では、何か挑発的で不穏な動きがあるのではないかと世界中が注目していたが、格別大きな変化はなかった。軍事パレードで新型のミサイルらしきものが公開されたが、北朝鮮はそれがアメリカに対して充分な威嚇になると述べていたが、どこまで本気なのか、相も変わらず困ったお国である。