3617.2017年4月8日(土) シリアへの空襲はどっちの言い分が正しいのか。

 昨日シリアへ電撃的空襲を行ったアメリカに対して、シリアはもちろん、その後ろ盾となっているロシアも国際法違反で侵略行為であるとして激しく非難している。一方でアメリカを擁護し、支持している声も多い。何といっても多数の幼児を含む百名近い人々が化学兵器で殺害されたことがシリアへの憎しみを買っている。シリアの化学兵器使用は許されることではないと極めて厳しい指摘である。

 安倍首相は直ちにトランプ大統領へ電話して「化学兵器の拡散と使用は許さないとのアメリカ政府の決意を支持する」と伝えた。EUでは、イギリスに続き、ドイツ、フランス、イタリアがアメリカの攻撃を支持した。

 世界の世論は移ろいがちである。ロシアは、シリアは化学兵器を使用していないと言って、シリア上空で米ロ両軍の衝突を避けるための合意の効力を停止するととんでもないことを発表した。そして今後もアサド政権を支持するとのコメントを伝えた。

 朝日や日経の論調は極めてアメリカに対して批判的である。ことに朝日は「アメリカに正義はあるのか」のテーマで全面記事を掲載し、社説では「米シリア攻撃・無責任な単独行動だ」と述べ、事態の一層の悪化を招きかねないと手厳しい。朝日はアメリカの立場は空襲より停戦の徹底を図り、2月に再開したアサド政権と反体制派の和平協議が結実するよう、ロシアとともに本腰を入れることだと主張している。その中で意外だったのは、会食中にトランプ大統領からこの事実を伝えられた習近平中国国家主席がアメリカの立場に理解を示し、中立の立場を取ったことである。同時に、習主席は対北朝鮮問題で核・ミサイル問題で北朝鮮の核計画が深刻な段階に入ったとの認識を共有することになった。

 だが、実際は化学兵器をシリアは使用したのか。そして今後米ロ関係は悪化してシリア内戦は硬直化し、米ロの衝突がまったくないと言えるだろうか。

 益々シリア問題は複雑な様相を呈している。これから先難民はどうなるのだろうか。

 ところで、昨今森友学園問題が紛糾する中で同学園幼稚園の朝礼で教育勅語を朗読することが話題になると同時に、一部の有識者の間ではその教育方針が憲法や教育基本法に触れるのではないかと憂慮されている。

 ところが、衆議院内閣委員会でヤンキー先生として知られた義家弘介・文科副大臣が、この行為を教育基本法に反しない限り問題ないと答弁した。若い頃家庭内暴力を度々繰り返していたヤンキー先生には、「天皇・皇后両陛下を始め皇室への崇拝を求める」教育勅語の精神が幼児教育の場で本当に問題ないと思っているのだろうか。震災で自主避難している人たちに対して、自己責任で避難しているなどという復興大臣がいる一方で、教育の本質を知らずして文部行政の責任者でいることは、教育を蔑ろにしていると言っても間違いではない。

 政治家なんて誰も彼も皆世間知らずで、国民の気持ちなんてまるで分かっちゃいない。

2017年4月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com