今朝ドえらいニュースが飛び込んできた。アメリカが日本時間の今朝、地中海の米駆逐艦からシリア中部地区で化学兵器が貯蔵されているとされている空軍基地に向けて59発の巡航ミサイル「トマホーク」を発射したのである。これからトランプ大統領が中国の習近平主席と首脳会談を開こうとする間際である。習主席の反応は伝えられていないが、あまりの電撃作戦に相当驚かされたのではないだろうか。
アメリカ国防総省は、3日前シリア空軍による空爆で化学兵器が使用され、90名近い市民が殺戮されたことに対する報復であり、化学兵器自体が使用されたことはアメリカの国家安全保障上のために不利益だと発表した。直前にこれを知らされたシリアのアサド政権を支援するロシアのプーチン大統領は、アメリカの攻撃は国際法違反で米ロ関係に深刻な悪影響を与えると即座に非難した。
習主席の反応を早く知りたいが、同時に北朝鮮の反応も知りたい。北朝鮮にとっては恐らくこれに似た自体を想定しているのではないだろうか。明日は我が身となりかねない。
街の反応は、電撃作戦に驚いているという人がほとんどだが、極右で感情的なトランプ大統領の性格を考えるとあり得る対応だと納得する人も多い。中国はこれまでトランプ大統領は張子の虎だと思っていた節があるが、今後対応が変わることが考えられる。
シリアの国情が内戦状態になったのは、明らかに現在のアサド政権に大きな責任があると思っている。親子でほぼ半世紀に亘りシリア国内で独裁者として君臨している。世襲大統領のアサド氏が外科医でありながら、なぜ人を殺す職にいつまで留まってシリア国民を虐待し続けることに反省の気持ちがないのかどうもよく分からない。そして、そのやり口は次第に残忍の度を強め、普通の感覚では理解出来ない酷い結果を生んでいる。とにかくシリアから伝えられるニュースは悲惨なものばかりである。この悪魔的大統領が政権の座に就いている間は、シリアの地から人殺しはなくならず、平和は訪れないだろう。アメリカの電撃作戦が北朝鮮にまで及んで、それが「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法改正案」が衆議院審議入りした日本にも、影響を及ぼすことのないよう願わずにはいられない。憂鬱なことである。
さて、今朝の朝日「天声人語」欄に、千葉県大網白里市のある不動産会社の節電について好意的に紹介している。実は、この会社「大里綜合管理」には、まだ市昇格前の大網白里町だった2007年5月に講演で訪れている。その後定期的に活動の報告書を送ってくれる。その時感じたのは、会社が地域に上手に溶け込んでいるということだった。従業員25人の小さな会社である。周囲の雰囲気も会社に温かいのだとは思うが、野老真理子社長が自らの考える夢やボランティア精神を生かしながら、従業員と一体となって地域と連携しつつ経営している地域密着型企業である。記事によれば、東日本大震災後に会社として「計画停電」を実施しているという。
その実態とは、夏には正午から4時間空調や照明を止め、電灯はすべてLEDに代えて夜の会議を減らし、電力消費量を震災前に比べて僅か20%にまで節約したというから会社にとっても経費の節減に寄与している。お会いした時にも、またこのニュースを知っても野老社長には会社経営に理念と哲学、そして行動力を充分生かしているように感じた。あまりいないタイプの優れた経営者だと思う。