3591.2017年3月13日(月) サウジアラビア国王一行大挙来日

 昨日サウジアラビアからサルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王と随行の王族一行が来日された。今どき珍しいほどの豪華旅行である。前日にすでに訪日した一行を併せると、その数実に1,500名で特別機、チャーター機も併せて40機に上がるというから驚くばかりである。

 今夕の朝日「素粒子」にこんな風に書かれている。「あのタラップの運送費はいかほどか、と下々は思う。千人のお付きを連れたサウジ国王。こんな王様がまだいた」。タラップとは特別機からの乗り降りに使用するエスカレーターをわざわざ国から運んだものである。

 国王の来日はすべてに桁外れで1ヶ月もかけてアジア諸国を回っているようだ。この間要人が揃って海外へ出かけて国内政治は果たして大丈夫なのか、他人事ながら気になる。日本を離れた後中国へ向かう予定である。都内のホテルもホテルオークラを中心に1,500室をキープしたとか、専用のハイヤーを400台抑えたが、それでも足りずに関西方面からも調達したとか腰を抜かすような話ばかりである。インドネシアを訪れた時には、パトカーを先導に一度に多くのハイヤーが続いたために行列の最後部が通り過ぎるまでかなりの時間を費やしたという。

 国王は今年81歳になられ、国王になってから初めての来日である。ファイサル国王の来日以来サウジアラビアの国王としては実に46年ぶりである。

 来日の目的は両国の友好、親善と言われているが、「日本・サウジ・ビジョン2030」という新たな経済協力プロジェクトについて話し合うことである。サウジにとっては脱石油について話し合うことと、経済特区の開設で、サウジ国内で工場や研究開発拠点を誘致する地域を特区に指定し外資規制の緩和、税制優遇、関税手続きの簡略化、インフラ整備、労働環境の改善などの日本とサウジとのビジョンを話し合うことだという。日本にとっては原油の安定的輸入は交渉の目玉だと思っていたが、原油安が長く続き、財政的に厳しくなったサウジが現状で経済政策を変えることで日本の知恵を借りるようだ。しかし、あのサウジが脱石油とは意外な話である。

 安倍首相主催晩餐会に続き、天皇陛下主催昼食会も予定されているようだが、イスラム国の国王でもあり、乾杯の際お酒はどうなされるのだろうか。5年前禁酒国のヨルダンでビールを飲む機会があったが、それはドライ・ステートらしくノン・アルコール・ビールだった。偶々そのことについて今エッセイを書いているが、果たして晩餐会や天皇主催の昼食会で乾杯はどうされるのか、興味がある。

 ところで、天皇陛下の退位をめぐり昨年8月以来専門家や有識者らが議論を重ねてきているようだが、結局皇室典範の改正までは踏み込まずに今上天皇に限り退位を認める特例法を整備する方向で落ち着きそうである。これには皇室典範改正を主張してきた民進党が、特例法は将来の退位を否定しているものではないとの政府与党の考えに歩み寄ったからである。天皇が退位のお気持ちを披歴されてから、あまりにも時間がかかり過ぎている。漸くまとまりそうであるが、民進党の軟化は、最近の党の空気を表している。

 昨日民進党として初めて開いた定期党大会で蓮舫代表は、原発ゼロ方針の「2030年ゼロ」を表明することを断念した。挫折の民進党の典型的な埋没アピールである。このように持論を抑制するような守りの姿勢では、党は非活性化し、蓮舫代表の求心力は低下し、野党民進党の存在も危うくなるのではないだろうか。

2017年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com