3589.2017年3月11日(土) 3つの気になる話題

 昨日は国内外に気になる大きな話題が3つもあった。そのために東京大空襲と、マレーシアで起きた暗殺事件の被害者金正男の遺体が本人と断定されたこともあまり報道されず、かき消されてしまった。

 3つの話題とは、ひとつは朴槿恵・韓国大統領罷免であり、残りの2つは南スーダンからの自衛隊PKO派遣部隊の撤収と、大阪府豊中市の森友学園小学校設置認可申請の取り下げである。

 私はそれぞれに疑問があると考えている。まず、大統領罷免問題では韓国は自由主義国として著しい発展を続け、今日では生産品によっては日本製品を追い抜くほど成長しているが、朴大統領の友人への情報提供の過程でサムソンの実質的経営者が逮捕された。外貨の稼ぎ頭だった経営者を逮捕したり、初の女性大統領と持て囃しながら支持率4%台にまで落とした韓国人の感情起伏の激しさに驚いている。そこには韓国に異常な学歴社会と競争社会が強く影響しているらしい。それ故エリートがミスを犯すとそれを徹底的に追及し、いじめて非難する性向があるらしい。恵まれたエリートが隠れてつい賄賂に手を出すような環境の下地も作っているようだ。

 実際朴大統領の前任5人の大統領はいずれも、本人または親族の不正により退任後に逮捕、または自殺している。これなぞは国辱的なことだと思う。やはり国の制度や風習に何か欠陥があるせいではないかと考えるのは余計なお節介だろうか。そして気になるのは、これから慰安婦問題解決のために日韓両政府が合意した公約を解消するという、外交儀礼に悖る行為を国民ばかりでなく、次期大統領候補者までが公言していることである。

 次いで南スーダン派遣の自衛隊PKO部隊の撤収については、最初から問題があった。昨年7月に派遣予定地近くで政府軍と反政府軍との間で激しい戦闘があり、数百名が亡くなったと言われていた。戦闘行為があれば、憲法上現地派遣は考えられなかったが、稲田朋美防衛相は国会で野党の質問にしどろもどろで対応した末に、強引に戦闘ではないと言い切った。結果的に政府軍と反政府軍との内乱に新たな別の反政府軍が介入することにより、内戦は泥沼化しそうだ。

 今から半世紀前アラビア半島突端のアデンでは支配者イギリスからの独立を目指したアデン民族解放戦線がイギリス軍と血みどろの戦いの末、勝利が目に見えて来たころになってもうひとつの新しい民族解放戦線が生まれ、支配者イギリスを除外したアデン人民同士の内戦に発展した。2つの解放戦線が生まれ内戦に発展した過程に関心を抱いて、アデン独立当日の1968年1月11日にアデンに入った。実際には繰り上げで前年の11月30日に独立して、私のイギリス大使館で発行してもらったビザが無効となっていた。いろいろな事件に巻き込まれたが、内戦というのは、相手がはっきり分からないだけに複雑である。その点で複雑な様相を帯びて来た南スーダンにおける自衛隊の撤収は、派遣自体が問題だったが、取り敢えず撤収して良かったと思っている。

 残りの学校法人森友学園の小学校設置認可申請の取り下げには、何か政治家が関与した裏があるように思えて仕方がない。前日には学校の境界で理事長が多数のメディアを前に、滔々と持論を展開し、挙句に学校を何とか開校させて欲しいと執拗にお願いしていた様子から推すと不思議である。

 恐らく何らかの政治的な介入があり、この際一旦手を引いて開校の話を収めようとしているのではないか。国会を騒がせる大きな問題になっており、この際安倍首相夫妻を始め、斡旋仲介した政治家が表沙汰になることを恐れて事態を鎮静化し、収束させる対応をしようとしているのではないだろうか。それでなければ、校舎は完工に近づき、怪しい契約が表面に出されて、政治家の介入なしには考えられない事態が起きている。校舎建設に掛かった費用は、学校が負担するのではなく、ある筋の組織、人物がすべてを収めることで引き受けたのではないか。まったく闇の世界の話なので何とも言えないが、どうもそんな気がしてならない。

2017年3月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com