昨年12月から準備していた祝賀会を新宿のハイアット・リージェンシー東京で開催した。白梅学園理事長で慶應義塾大学名誉教授でもある小松隆二先生が昨年10月ウェリントンでニュージーランド政府からメリット勲章を受勲された慶事を祝って飯田ゼミ有志と現代公益学会の先生がお祝いしたものである。当初から幹事を押し付けられ、少々心の負担になっていたが、今日会場で参加者と会話してみると小松先生ご夫妻を始めほとんどの参会者が大変喜んでおられたので、何とか救われた思いである。あまり華やかな集まりにしないでほしいとの小松先生の事前の注文で、40名程度の小規模のパーティではあったが、雰囲気、食事、サービスなどすべての面で申し分なく満足の行く祝賀会となった。
祝賀会は構成を2部に分け、1部では小松先生のニュージーランドについてセミ講義を、そして2部は宴会という形にした。卒業後半世紀以上が経過し、恩師飯田鼎先生も本年7回忌を迎え、ゼミも解散したので、もう度々ゼミ仲間と会うことはなくなったが、それでも1年に2~3回は親しい仲間とは会うことがある。今日は主にこれまで話したことがない後輩たちとあまり経験のないような話をしたことが印象に残った。やはり普段会わない人と会話をするだけで新しい知識を得られるのがこういう集まりのメリットでもある。やや疲れたが、終わってみて清々しい感じがした。
さて、昨夕羽田を発った安倍首相はワシントンに着いた。明日トランプ大統領と初の日米首脳会談を行い、その後大統領の別荘があるフロリダへ行き、ゴルフを楽しむようだ。
ここへきて大統領への不信感が増してきた。ひとつは、イスラム系7カ国国民の入国を一時禁止した大統領令について、連邦地裁に次いで日本の高裁に当たる連邦控訴審でも再び大統領令停止命令が出されたことである。それでもトランプ政権は最高裁に向けて争う構えを見せている。この様子では当分収まりそうもない。
もうひとつは、プライベートな案件であるが、大統領が娘のイバンカさんの名前を冠したブランド商品が名門デパート「ノーストローム」で販売を中止されたことに強く抗議したことである。親バカもここまで嵩じると些か滑稽である。
大統領は「イバンカはノードストロームから大変不当な扱いを受けてきた。彼女は素晴らしい人間で、私が正しいことをするよういつも後押ししてくれる。本当にひどい」と普通の親ならある程度目をつぶることも、大統領という権力者が娘可愛さのあまり、その絶大な権力を行使して一民間業者を苛めるのはいかがなものであろうか。
これら大統領の異様な行為に対して非難が高まり、一層アメリカ国内の分断ははっきりしてきた。こういう嫌トランプ・ムードの中で、安倍首相はトランプ氏と個人的な信頼と強い絆を固めることを希望している。だが、そんな戦略ではトランプ氏の思う壺であり、巧妙に取り込まれ、更にEUを始め、トランプ大統領に距離を置き始めた国々からはあまり好意的な扱いを受けなくなるのではないだろうか。
いずれにしても安倍首相は、今難しい立ち位置に置かれようとしていることは間違いない。