3551.2017年2月1日(水) トランプ大統領は日本と中国を一緒くたにするな!

 中国による南シナ海の海上埋め立て問題が周辺国から非難され、国際法にも触れることが国際裁判所で判断されたにも拘わらず、一向にその違法行為を止めようとせず、東アジアにける安全保障上厄介な問題となっている。その手法が異なるとは言え、陸地においても中国の侵略?は相当な破壊力があり、将来的に国家間、或いは周辺諸国において軋轢を生む可能性が高い。

 かつてスリランカの首都だったコロンボの海上埋め立て工事が、スリランカ政府と中国の国有企業との間で契約が交わされ、現在開発用地上に都市造成計画が進められている。埋め立て工事が完成してから30年後に8万人が住む都市となる計画である。問題は、完成しても開発用地の約2/3を中国企業が借用し、残りの1/3をスリランカ側が占有する。そして、もっと大きな問題は、中国側が手に入れた土地が99年間に亘って租借地として中国が望む通り使用できることである。かつて中国がイギリスに香港を租借地として99年間租借地として提供させられた仕返しとも言える手法である。中国はここにスリランカ国内法ではなく、治外法権の行使まで主張している。租借地というより現代植民地に近いと言えるのではないだろうか。

 そもそもこのプロジェクトがスタートした背景には、中国寄りだった当時のパキスタン政権が中国と土地を共同開発するという名目だった。しかし、庇を貸して母屋を取られかねないことに気付いたパキスタン政府が、政権が代わってから中国と交渉し、白紙撤回まで申し渡したが、中国が協約違反として過大な賠償金を請求した結果、泣く泣く中国の要求に屈した結果となった。中国は賠償免除と引き換えにパキスタン政府から港湾のほとんどを経済特区として借り上げることにも成功した。強大な経済力をバックに経済弱小国の弱みにつけ込むような国家プロジェクトが流行ることが心配である。中国政府は同じような手口で、他にもアジア南部海岸都市を手に入れようとしている。

 今アメリカではトランプ氏が大統領になって、傍若無人に各国へ八つ当たりしているが、貿易や為替に関して、トランプ大統領は日中が為替操作でドル高へ誘導して貿易を有利にし、アメリカに損害を与えているとあまり詳しい事情を知らずに喚いている。専門家は、中国はこれまで恒常的に為替操作を行ってきているが、最近の日本はまったくそんなことは行っていないと反論していた。中国と日本のやり方を、実態も知らずに画一的に同次元で捉えられては堪ったものではない。トランプ氏も日本が中国と同じやり方で他国に介入しようとしているとでも思っているのだろうか。まったく大きな迷惑である。

2017年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com