毎年今ごろになると高校時代の親友仲間6人で藤沢か、鎌倉でランチを共にする。中でも横浜銀行へ就職した轟くんとは家族同士のお付き合いもあり、今も時折お互いに近況報告をし合っている。お父さんは割合早くお亡くなりになったが、お母さんは昨年99歳で亡くなられた。生前お元気な時はお会いすればいつも優しく声をかけていただき今も懐かしく思い出す。
今日は藤沢駅の近くで会食したが、大学で囲碁部に所属して活躍した加藤くんが、残念ながら転んでけがをして来られないということから5人の同期生となった。皆78歳になったので、やはり健康が一番気になるところで、実際昨年来られなかった山田くんが、今日来られたのは奇跡だと思っていると言うくらい、彼の健康状態はしばらく思わしくなかった。それでもお互いに会えば、出るのは懐かしい思い出話ばかりである。いつも幹事役を務めてくれる吉水くんも万全ではないようだが、努めて幹事を買ってくれる。おとなしい三輪くんはにこにこしながら話を聞いている。私は元気過ぎると言われたが、おしゃべりが過ぎるということでもある。3月にはクラス会があり、秋には全体の同期生会があるが、いつまでも子どものような高校生時代の思い出に浸って時間をつぶしている。過去を振り返るばかりだが、これぞ至福の時でもある。
さて、今朝テレビ・ニュースで韓国の次期大統領選の有力候補者と見られていた前国連総長の潘基文氏が、大統領選出馬を断念したと伝えられた。昨年末に10年間務めた国連事務総長を辞めたばかりで、その名誉と存在感からすれば圧倒的な支持があって然るべきである。しかし、10年間の任期を全うした国際人としての活動の割には、歴代の事務総長の中でその評価は史上最低の事務総長と揶揄されるほど、一般の受けは良くなかった。特に公平であるべき立場だったにも拘わらず、時にはその枠からはみ出して顰蹙を買う言動もあった。昨日グテーレス国連事務総長は、トランプ大統領による中東・アフリカ7カ国からの入国一時禁止措置に対して、直ちに撤回すべきだとトランプ大統領を厳しく批判した。その公平で行動的な点から言えば、潘基文氏はすべての面でこのような積極的な行動力をほとんど見せなかった。
本人が辞める決意を固めた記者会見では流石に無念の表情を見せた。最も無念だと考えたのは、実弟や甥による金銭スキャンダルをメディアから潘氏自身が絡んでいると批判されたことである。事務総長退任直後は最も期待度は増していたが、その信頼は徐々に下がり始め、ついには最大野党「共に民主党」の文在寅・前代表に大きく引き離され、大統領を断念せざるを得ない公式発表となってしまった。
韓国政界は、朴槿恵大統領が弾劾問題で動きが取れず、韓国政府として積極的な行動を取りにくい状態にある。内政はもちろん、外交も死に体に近い。そこへ次の大統領を選ぶための有力な選挙立候補者が、すっきりした理由を示さず辞退することは、民主主義の後退にならないだろうか。