3548.2017年1月29日(日) 役人の間では相も変わらず天下り

 このところ文部科学省の組織的天下りに関する省内のあっせんが表沙汰になり、違法であるとして糾弾されたが、文科省はあっさりこの事実を認めた。もともとお役人というのは、陰謀を企むことにかけては民間人には真似の出来ないほど策略的であるが、今度の文科省の天下りの談合は、ついに根元まで化けの皮がはがされた。

 何といっても呆れるのは、文科省役人が自分たちの天下りのために文科省OBの理事ひとりだけの一般社団法人まで作り、公益財団法人文教教会を受け皿として文科省経費から資金を回遊していたことである。その公益財団法人は役員9人で、その内6人が文科省OBである。それぞれ別に有給で立派な法人の要職に就きながら理事に名を連ねている。公益財団には文科省から毎年多額の補助金が支払われている。法律に違反しているうえに、その仕組みと運営は悪質極まれりで悪知恵をよくぞ使ってくれたものだと思う。

 そもそも天下りが先年制定された法律に違反することは充分承知している筈なのに、歴代の文科省高官は、敢えて意図的に法を犯していた。これは一文科省のみならず、他の霞が関官庁でも同じように行われているのではないかということは大体想像がつく。早速国会でも追及され、いずれ近日調査報告がなされる筈である。

 叩いても叩いても一時の反省しかしない役所からは、絶え間なく埃が出て来る。役所というところは、そこに働く人間を劣化させ、他の仕事では能力を発揮出来ないような人間にする仕組みに出来ているのではないか。

 さて、昨日間もなく阪神甲子園球場で開催される第89回選抜高校野球出場校32校の高校名が発表された。年々出場校の傾向が変わって来ている。29校は成績と実力を参考に選ばれるが、他の3校は戦力以外の特色も評価される「21世紀枠」という条件で選抜される。年々その傾向が強くなるのは、公立校が減少し、私立校が軒並み増えていることである。しかも野球の名門私立校より、新興の私立の野球学校が増えた。21世紀枠の出場校はすべて公立校であるが、他の29校のうち公立校は僅かに、高岡商、静岡、熊本工、市立呉の4校だけである。地元の生徒が通う学校というイメージは、年々失われ、遠方の野球少年の中学生をスカウトして野球部を強化して学校名をPRする傾向が表れて来た。当然地元の人は応援にそれほど熱が入らなくなる。これが良いことかどうかは一概には言えないが、郷土意識というものを失わせる要因になっていることは間違いないと思う。

 その中で今年21世紀枠で出場することになった岩手県代表校に、珍しい名前の高校がある。県立不来方高校で漢字も読み方もすらっといかない。僅か部員10名のコズカタ高校である。だが、PCで「コズカタ」とタイプしたら、すぐ「不来方」と表れた。よくよく調べてみたら、かつては通りの好い名だったようだ。盛岡地方のことを昔から不来方と呼んでいたという。盛岡城も初期には不来方城と呼ばれていたそうだ。現在国立岩手大学の大学祭は「不来方祭」と言われている。21世紀枠のお陰で、中々面白いエピソードを知ることが出来た。

2017年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com