訪日外国人観光客が伸びている。昨2016年には対前年21.8%も増えて2千4百万人を超える外国人が日本を訪れ、観光庁はエビス顔で受け入れ施設の拡充と外国人を満足させるような案内をするよう指導している。だが、政府(観光庁)が対策を打ったから外国人が訪れ貴重な外貨を日本国内で消費してくれるのではなく、これまで積み重ねて来た民間の観光業者の目に見えない努力が少しずつ結実したのである。この辺りの認識がお役人には疎く、自分たちの努力が実ったものだと大きな思い違いをしている。
今後これまで知られなかった問題点も少しずつ表沙汰になってくるものと思う。
ところで、これまであまり関心を持たれなかった日本で働く外国人労働者の数も毎年増加し、これまで大きな問題として取り上げられていないが、外国人を雇って働いてもらっている現場ではトラブルが生まれつつある。外国人労働者はここ4年間連続して増加し、2016年には初めて100万人を超えた。
但し、外国人労働者と言っても現状はアジアを中心とする技能実習制度を通じて受け入れた人材や、留学生、技能実習生、永住者、そして日本人と結婚した外国人などがいる。これからも着実に増加の傾向にあるが、中国からの農業実習生があっせん業者に騙され農家で就農中に突然蒸発してしまう例も散見され、問題を呈している。日本の外国人労働者は漸く100万人に達したとは言うが、人口比から考えれば、2015年時点で韓国では94万人、台湾で60万人に比べてまだ少ない。外国人観光客と同様に外国人労働者も溢れて、日本社会も外国人との付き合いなくして日常生活が送れなくなる時代が早晩やってくるのではないかと思う。
そんな日本の総理大臣が簡単な漢字を読めないのは、かつて麻生太郎元首相で経験済みだが、一昨日安倍首相が「訂正云々」を「テイセイデンデン」と読んで昨日の朝刊コラムに皮肉まじりに取り上げられた。一強多弱で力を過信した最近の首相の言動を論った取り上げ方である。安倍首相も情けないが、実は麻生元首相はもっと酷かった。
2008年当時の麻生首相は、「未曾有」を「ミゾウユウ」と読んだり、「踏襲」を「フシュウ」、「前場」を「マエバ」、「低迷」を「テイマイ」、「頻繁」を「ハンザツ」と読み上げていた。加えてお行儀が悪い。幸か不幸か、わが国はこういう人物を総理大臣に選出して来ているのである。