3540.2017年1月21日(土) トランプ米大統領、マイペースでスタート

 今朝からトランプ新アメリカ大統領就任前後の動静がメディアを独り占めしている。トランプ氏の言動はアメリカ国内でも賛否両論で、全米各地で熱烈なトランプ・サポーターがばか騒ぎをする一方で、激しい反トランプ・デモが暴れる異色な大統領の登場である。まったく前代未聞であると言えよう。

 惜しまれてホワイトハウスを去ったオバマ前大統領に惜しみない拍手が送られたが、トランプ大統領は就任演説直後に発表したいくつかの政策方針のうち、オバマ氏が実施した医療保険制度改革、通称オバマ・ケアの見直しに向けた大統領令に署名した。オバマ氏自身もレガシーと自画自賛していたオバマ・ケアをあっさり放擲しようというのだ。余程納得出来る代案を提示しない限り、オバマ・ケアで恩恵を受けた人たちから評価されないだろう。そしてアメリカの医療保険制度はどうなるのか、早急に代案を公表する責任と義務があると思う。

 女性蔑視、差別主義者で国論の分断をもたらすトランプ大統領には、いくらでも聞きたいことがある。差し当って環太平洋経済連携協定(TPP)と北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱について、アメリカ第一主義のあまり自分たちの思う通りにことを進めるというのであれば、最早アメリカは自由貿易主義国ではなく、保護貿易国であると世界に言い散らすようなものだ。それで果たして世界の超大国と言えるのか。そんな孤立主義でトランプ大統領シンパはもとより、多くのアメリカ国民は納得出来るのだろうか。仮にトランプ主義によってアメリカにかつての栄光が蘇ったにせよ、他の国々が落ち込み全体的に景気の停滞をもたらすなら、それは果たしてアメリカ人の本心で望みと言えるのだろうか。

 もう少しこの問題は考えてみたい。

 このところ国内にも嫌な話を耳にする。文部科学省が組織的に職員の再就職をあっせんしていたことが明らかになった。悪名高いお役人の天下りである。文科省高級官僚による早稲田大学教職へのあっせんを文科省と早大の間でかなり大掛かりに行い、それを脱法的に隠蔽工作までしていたことが公になった。文科省、早大のどちらにとってもメリットのある取引だったが、国家公務員法で禁じられていることである。その悪質さが明るみに出て、一旦は決めた元高等教育局長の早大教授職をキャンセルした。また、これに関わった事務次官以下の文科省職員を処分した。

 また、ひとつ怖い話があった。昨日の強風で関西電力高浜原発にある大型クレーンが原発建屋の上に折れて覆いかぶさるような形になった。先日原子力規制委員会から再稼働に問題がないとの判断が下され、近々再稼働する予定の原発である。原発には影響がなかったとは言え、ダメージを与えていたら事故に繋がり、その影響は計り知れないものになっていただろう。原発自体がすでに厄介者になっていることから目を逸らそうとしているが、事故が起きてからでは遅い。福島原発事故で懲りている筈なのに、どうして原発廃棄へ踏み出すことが出来ないのだろうか。

2017年1月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com