いよいよ日本時間で3日後に迫ったアメリカ大統領就任式の話題が尽きない。虚偽らしいものから、下世話な話に至るまで風評は世界中に出回っているようだ。その中で比喩的なものと、衝撃的な世論調査の結果を紹介してみたい。前者では今日の朝日夕刊「素粒子」に「英国がEU市場を抜ける。米国に保護主義の政権ができる。中国首脳が自由貿易を説く。これは歴史の交差点か」と現実を揶揄して書かれている。後者は、CNNなどが行った世論調査で分かったことであるが、大統領就任前のトランプ氏の支持率が極度に低水準にあることだ。直前の調査では過去40年間で最も好感度が低い大統領とされている。
トランプ氏の支持率は、何と過半数にも満たない40%で、その反対に不支持率が52%というから、これで今後4年間もアメリカと世界を引っ張って行けるのかと首を傾げざるを得ない。加えて就任式を欠席する議員が50名ほどいるというのも前代未聞である。
一般的に新政権発足時はご祝儀で世論が好意的に受け止めることが多いものだが、トランプ氏は歯に衣着せず相手に対して攻撃的な差別発言を行うので、大分印象が悪い。更に素直に過ちを認めるとか、謝罪するという当たり前のことが出来ない人である。
近年の大統領の中では、オバマ、ブッシュ、クリントン氏らは支持率がそれぞれ、84%、61%、67%で、不支持率も14%、25%、15%とトランプ氏を大きく引き離している。特に女性から不評を買っているようで、実際その言動には女性蔑視傾向が垣間見える。性的被害を受けたとして、謝罪を求め名誉棄損で昨日訴訟を起こしたテレビ番組出演者まで現れた。選挙戦中も女性テレビ・キャスターを蔑視するような発言を度々繰り返したと非難されていた。いまトランプ・サイドで最も深刻に考えられているのは、性的スキャンダルである。真偽のほどは不透明であるが、ロシアが握っているトランプ氏のロシア人売春婦に絡む情報が仮に真実として暴露された場合、トランプ氏は朴槿恵・韓国大統領が弾劾された事例のように失職の可能性があり、アメリカも世界中から大きな恥をかかされるのではないか。ロシアはこれを駆け引きに利用しようとしているのか、最近の米ロの裏の取引が微妙である。
それにしても新大統領の就任に際して、もう少し明るくおめでたい祝福気分を演出出来ないものだろうか。アメリカ国民の常識や倫理観も随分落ちたものだ。