3491.2016年12月3日(土) 南スーダンはやはり危険そのもの

 今朝の朝日の一面に「南スーダン陸自 弔慰金増額」の大きな記事が掲載されている。先日国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊隊員が任務中に死亡したり、重度障害になったりした場合の弔意・見舞金の最高額を、現行の6千万円から9千万円に引き上げると防衛省が発表したことを取り上げている。やはりそうかというのが関係者の盲目的な受け止め方だと思う。南スーダンが予想以上に危険だと判断したのだと思う。

 南スーダンでは、すでにこれまで2百万人もの犠牲者が出ていると言われている。正確な犠牲者の数は分からず、7月の戦闘では150人以上が亡くなったと言われ、各国のPKO派遣兵員も命を落としている。中国軍兵士もすでに2名が亡くなったという。いかに稲田朋美防衛相が、現地に7時間ばかり滞在しただけで、現地の状態は安定していると言ったところで、日本の自衛隊だけが安心というわけにはいかない。

 そんな折に深刻な危険情報を予想させるような弔慰金の引き上げを公表したことによって、派遣団員家族や関係者は戦慄を覚えているのではないだろうか。

 すでに団員には、定期給料の他に、1日1万6千円が支給されているが、現地で駆けつけ警護に駆け付けた場合は、更に1回当り8千円が追加支給されるという。これで政府、防衛省が危険を承知の上で自衛隊を駆けつけ警護と称して派遣した深謀な意図が分かる。

 その政府・自民党は昨日もたった2日間の審議で「カジノ法案」を衆議院通過させようというのだから、これこそ数の力でゴリ押ししようとしているとしか言いようがない。とにかく最近の政府はやることがあまりにも拙速で強引過ぎる。これには、朝日、毎日、読売、産経各紙が昨日の社説で厳しく非難している。日経でも今朝の社説、及び他のコラムで政府のやり方を糾弾している。一部の利益はあっても国家として、また教育上も問題のある博打を公認しようというのだから、何を考えているのか、その浅はかさには呆れるばかりである。

 最近は自民党にべったりの公明党にも、今度ばかりは多少の良心があったのか、同法案を全員賛成の自民党、維新の会に対して、委員3人中2人が反対に回ったようだ。自民党と維新の会には、国家の将来や、子どもの未来は頭にないようだ。

 今後自民党がこのまま行くと、保守化、右翼的な言動が益々増えてくると思われる。いずれ言論の自由に関しても、あれこれ差し出がましく彼らなりの自論を押し付けてくるのではないかと心配である。

 さて、一昨年1月に就任以来その言動で広く注目を集め、とかくの批判もされてきた籾井勝人NHK会長が、来年1月末任期終了を以って退任するだろうと新聞各紙が報道を始めた。安倍政権の意を斟酌するような発言や、NHK子会社の不祥事などから会長の器とリーダーシップに疑問を持たれていた。NHK出身者に知り合いが何人かいるが、彼らもOBとして籾井会長の言動に不満を感じて反籾井運動に携わっていた。これでホッとされておられるだろう。NHKも公共放送なのだから、もう少しバランス感覚の優れた人をトップに据えたらどうかと思う。

2016年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com