昨日本ブログで取り上げた議員立法の「カジノ解禁法案」が、今日衆議院内閣委員会で自民党の強行採決により可決された。自民党は、6日の衆議院本会議で法案を通過させ、14日の会期末までに参議院で可決、成立を目指す。議員立法というのは、本来与野党の合意が原則であるが、今回は合意のないまま審議に入り採決を強行した。ネットには冗談交じりに、この際パチンコも止めてほしいとあった。それがまともな人間の感覚だと思う。世間の常識とか、静かで汚れない環境を望む一般市民の声なんて、政治家たちにとってはまるで他人事なのだから話にならない。
さて、韓国の朴槿恵大統領への辞職を求めるデモや、一般的な声は相変わらず強まる一方だが、3日前任期内に辞任を表明した大統領に対して、一旦は弾劾訴追を取り止める動きを示していた野党は、9日に訴追案を国会に提出し、採決を目指すことで合意した。1週間後に大統領が弾劾で職務停止という不名誉な結果になるのか否か判明する。
フランスでも大統領に関する動きが慌ただしくなった。先日共和党候補者にフランソワ・フィヨン氏が選出された。この後極右派国民戦線のルペン党首と争うことになる。今日のフランスの報道によれば、現職大統領のオランド氏が2期目の出馬を取りやめると発表した。現職大統領が2期目の出馬を止めるというのは、1958年第5共和制が発足してから病気で取り止めたポンピドゥー氏を除けば初めてだという。確かにオランド大統領はリーダーとして少々心許なかった。失業問題が解決されず、人気はじりじり下がっていた。移民問題などから国内でテロが繰り返され、党内も割れていた。出馬しても勝てる確信が抱けなかったのだろうか。
心配なのは、フランスがどんどん右傾化していることである。アメリカでトランプ次期大統領が次々と右傾化の政策を打ち出している。そのうえ国防長官に退役海軍大将の「狂犬」と呼ばれたいわくつきのジェームス・マチス氏を指名した。イギリスもEUからの脱退を決めた。イタリアでも右翼が力を伸ばしている。更にオーストリアでも保守派が台頭している。世界中が保守的になったのでは、これまで世界が目指して来たグローバル化の流れが萎んでしまうのではないだろうか。