3481.2016年11月23日(水) 安倍政権は行き詰まっていないか。

 昨日トランプ次期米大統領が出したTPP離脱声明は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のためペルー滞在中の安倍首相にとって、やっとTPP案を国会で通したばかりなので、恐らくショックを受けているのではないか。トランプ氏の保護主義一辺倒には、出席者のニュージーランド首相もTPPのTはトランプのTではないかと皮肉を言っていたくらいである。

 また、3日前に安全との政府認識で陸上自衛隊員350名が、南スーダンへ出かけた。駆けつけ警護という意味不明瞭な任務で若い自衛官が戦闘状態の土地へ行ったが、現地では安心どころか、大分危険な空気が流れているようだ。現在国連平和維持活動(PKO)には、文民保護のため南スーダンに約1万2千人の駐留部隊員がいる。この数も徐々に増えているところから考えれば、危険度が増していると言える。7月の激しい戦闘以降国連は更に4千人程度の増員を考えているようだ。とにかく稲田防衛大臣が「安全」と判断したような状況ではないようだ。日本もこの様子だといずれ戦闘に巻き込まれ、犠牲者が出ることが心配される。安倍政権にとっても鼎の軽重を問われる事態になりつつある。

 加えて12月にプーチン・ロシア大統領訪日に合わせて、日ロ間でシベリア、北方領土で経済開発問題が調整されていたようだが、ここにも問題が発生した。昨日のインタファクス通信によれば、ロシアが実効支配する国後島と択捉島に、ロシア軍の地対艦ミサイルの配備が完了したというのだ。これら地域の開発にロシアは日本の経済協力を期待して、その方向で話は進んでいたようである。だが、日本を射程攻撃範囲内に収めるミサイルを配備するようでは、とても話には乗れないのではないか。ロシアの腹を知り合い。領土交渉を進めるためにペルーの日ロ首脳会談で、プーチン大統領は日本の支援を引き出すべく北方領土の共同経済活動を持ち出して来た。安倍首相は、ウィンウィンの関係で話を進めたいと主張したようだが、したたかなプーチンはどう仕掛けようとしているのか。はっきり言って日本にはロシアを説得する技量はない。だからと言って、ロシアの言いなりになっていては拙いのではないか。安倍首相の故郷で会談をするようだが、不本意だが現状維持で収めるより仕方がないのではないだろうか。

 ここでも安倍首相の割りが悪くなってきた。

 この上もうひとつ安倍政権に悩ましい事案が発生した。ベトナム国会は日本がロシアとともに受注した原子力発電所計画を撤回することを可決した。東日本大震災の前年に締結した建設契約であるが、その後建設費が倍増したことと、東日本大震災の原発事故が原因と見られている。長期政権となった安倍首相は、全般的に自信満々のようだが、このようにこのところあまり思うように行っていない。国民が反対することを強引にやり過ぎている。ここは一歩退いてよく考えたらどうだろうか。

2016年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com