3470.2016年11月12日(土) トランプ次期米大統領の本心は?

 良きにつけ、悪しきにつけ、トランプ旋風が吹き止まない。昨日トランプ次期米大統領はホワイトハウスにオバマ大統領を訪れ、引き継ぎ業務などについて智慧を授かっていた。トランプ夫人もオバマ夫人から心構えを伝授されたようだ。その後の記者会見でもこれまでの過激な発言とは打って変わり、神妙にそつなく応えて紳士的な態度で面食らうくらいである。選挙前の暴言王のイメージが見事に払拭されている。

 ISやウクライナ問題の対応で米ロ関係が悪化しつつある中で、早速腹に一物のロシアのプーチン大統領はトランプ氏を持ち上げる祝電を贈るしたたかさである。他方、フランスのオランド大統領は、含みのある言葉を述べていた。

 些か気になるのは、当選後のトランプ氏が豹変とも思えるように自己抑制的な発言に終始していることだ。確かに一候補者に過ぎなかった当時と大統領になってからでは発言の重みが違う。トランプ氏はこれまで軽佻浮薄な言葉を度々発していたが、大統領になれば責任を持ってそれ相当の言葉で語らなければならない。現段階でのトランプ氏の豹変ぶりは、選挙民、特にトランプ氏に投票してくれた有権者に対する欺瞞とも受け取られかねない。

 1.メキシコとの国境線上に壁を作る。

 2.TPPから脱退する。

 3.不法移民を送り返す。

 4.イスラム教徒のアメリカ入国を認めない。

 5.海外駐留米軍経費を相手国に負担させる。

 6.オバマ・ケア(国民皆保険制度)の廃止

 7.その他

 等々物議を醸しそうな発言が多い。当選後これらの発言について語ることを控えているが、これらの過激な発言が意味する政策をどう具体的に行うのか。仮に選挙前の発言は本心ではなく、選挙用にアピールを狙ったパフォーマンス発言だとして引っ込めるとしたら、アメリカ国民、否世界中の人たちに対する大きな背任行為であり、冒涜であると考えざるを得ない。

 政治的な経験がないため、これから大統領職を全うするために相当の事前研修が必要であろうが、早く本音でやるべきことは明確に発表する必要がある。さもなければ、嘘つき大統領としてそれこそアメリカ合衆国の恥さらしになりかねない。

 今日もトランプ氏に対する反トランプ・デモが各地で行われているようだ。これだけ嫌われているわけである。自らの言葉に責任を持って応えてもらいたい。就任前から不名誉な反対デモが起きるようでは前途多難だと思う。

2016年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com