奈良に住んでいる長男が嬉しいニュースを知らせてくれた。中学3年生の孫娘が女子ハンドボール奈良県大会決勝戦で勝ち、奈良県代表校の一員として全国大会へ出場することが決まったという。おめでたいことだ。上の男子は運動がまるでダメだが、この子と下の中1の娘は小さい頃より運動神経が発達していて運動会でよく活躍してくれる。他愛ないニュースだが、おじいちゃんとしては嬉しい限りである。
さて、お隣の韓国では朴槿恵・大統領の私的交友関係から国家機密文書が流出した事件に対する非難が高まり、昨日は市内で大統領の退陣を求めるデモに20万人が参加したと言われる。大統領の2人の側近も逮捕され、当分この騒ぎは収まりそうもない。
一方、アメリカの大統領選も投開票日を2日後に控えて、クリントン候補とトランプ候補の伯仲の争いになり、選挙戦予測も見当がつかない。
アメリカ国内でもとかく言われているように、史上最も人気のない候補者同士の史上最低の大統領選と揶揄される有様である。日本でもメディアを通じて情報が流されてくるが、どちらに有利とも言えないものばかりで、当日を待たなければ何とも言えない。しかし、流石にアメリカとの付き合いの多い外務省、防衛省、商社、アメリカ進出の企業などでは、いずれの候補者が当選しても対処する準備だけは進めようとしているようだが、とりわけトランプ氏とコネクトするチャンネルが見つからないところは困っているらしい。
どちらが大統領になるとしても、日本としては当面対応に苦慮するようだ。候補者同士が相手の粗探しばかりして、肝心要の政策論争を行わないからである。少なくともアメリカは国際社会の中で最も経済力が高く、国際的にもリーダーシップを揮える国である。その国の大統領になろうとする人物が、国際問題についてほとんど発言をしていない。トランプ氏の如きは下品な言葉を使い暴言王とまで言われている。
日本についてはどう思っているのか。クリントン氏は日本との同盟強化を謳いながらも日本国内でもすったもんだの末賛成するTPPについては反対を唱えている。一方のトランプ氏の場合はどうか。TPPに反対しつつ、日本における米軍駐留費用を全額日本に負担させると身勝手で非現実的なことを述べている。それなら、アメリカ軍に駐留していただかなくて結構だ。そうなれば、沖縄問題、基地問題、騒音問題などすべて解決される。
トランプ氏の主張の中身には、実現不可能と思える提案がいくつかある。その最たるものは大型減税である。連邦法人税を現在の35%から15%まで引き下げることを提唱している。それによって高い税率を嫌って海外に進出したアメリカ企業が海外に貯め込んだ2兆$も戻り、国内の経済成長率が高まると無責任に公言している。本当にそんなことができるのだろうか。巨額の減税を行うことは、今でも連邦政府に債務があるのに、更にそれが大幅に膨らむ恐れがある。
実際に打ち出した政策が実現できるのかどうかという一番大切なことが、お互いの非難合戦に終始し、悪口を言うことによって政策の中身がまったく議論されないのは問題だし、無責任だと思う。
大国アメリカの大統領選であるならば、もう少し次元の高い政策論争を戦わせてほしいというのが、率直な希望である。残りあと2日である。