3465.2016年11月7日(月) 今日は晩秋の「立冬」

 今日は暦のうえで立冬である。「冬来たりなば春近し」と言われるが、春は遥か先である。このところ日に日に寒くなり富士山の冠雪もかなり多くなってきた。

 さて、韓国もアメリカもあまりパッとしない大統領に関してとかくの話題で持ち切りだが、香港でも穏やかでない問題が起きつつある。9月に香港立法会議員選挙に当選した2人の議員資格について、中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が、中国からの独立をアピールした看板を掲げたとの理由で当選は無効との判断を示した。当然ながら香港では一部に中国による司法権の介入として反発が強まっている。

 香港の憲法とも言われる基本法には、立法会議員の就任時に香港は中国の一部と定めた「基本法を守る」と宣誓するよう義務づけられている。しかし、2人は決まった文言通り宣誓書を読まず「香港は中国ではない」と書かれた大弾幕を掲げたために、当選を無効と判断されたらしい。常務委員会の言うことがあまりにも子供じみている。「香港独立の主張は基本法に明確に違反しており、すぐに抑制して打撃を与えなければ、国の安全と香港の繁栄・安定を損なう」と言っているようだが、あまりにも神経質で民主化の動きを抑えようとしている当局の考えが露骨である。

 そもそも1国2制度下の香港が、どうしてここまで中国の法律に束縛されなければならないのだろうか。香港では中国本土に比べて政治的にはかなり自由に行動できる筈である。ところが、今回の当選無効の判断は、少しでも中国共産党指導部にとって好ましくないと判断されれば即刻弾圧、排除されることを示した。こうなると1国2制度はあまり意味をなさないと思う。いずれ香港も中国本土と同じ制度に組み込まれることになる。そうなれば、1997年香港が中国に返還された際、中国がイギリスに約束したことが反故にされることになるのではないだろうか。

 先日中国共産党指導部では、習近平国家主席を党の「核」と見做して権力の集中を加速化させたが、最近の中国の動きを見ていると権力の一極集中、言論の自由抑圧へ傾斜している様子が看て取れる。いよいよ中華人民共和国転じて「中国共産帝国主義国」となるか。権力に拘らず我欲のないキューバのカストロ前国家評議会議長とは随分違うなぁと感じる。

2016年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com