3453.2016年10月26日(水) 2020年東京五輪会場問題のゴタゴタ

 このところ気象状態が不安定で気温のアップ・ダウンも激しい。20日は27.7℃と夏日だったが、昨日の都内は最高気温が17.2℃だった。今日は一転して温かいが、それでも富士山には初冠雪があった。アメリカ大統領選挙の予想と同じで、先行きの見通しが分からない。

 さて、ゴタゴタ続きの2020年東京オリンピック・パラリンピック競技施設・会場選定について、外国の競技関係者が次々にやってきては小池百合子・東京都知事と会見して考えや希望を述べている。

 ロラン国際ボート連盟会長が来日して「海の森水上競技場」予定地視察後に小池都知事と会談して、「海の森」を最高の会場と評価していただけに落胆していた。続いて、バッハIOC会長が訪日して小池都知事や森喜朗・東京オリンピック組織委員会会長や、竹田恒和・JOC会長ら関係者と会って五輪会場問題を話し合っているが、バッハ会長としてはすでに決定した会場を今になって変更することにあまり賛成しているわけではないようだ。更に昨日マルクレスク国際水泳連盟事務総長は小池知事が当初予定のオリンピック・アクアティクス・センターから東京辰巳国際水泳場への変更を検討していることについて、観客収容数から考えて当初の計画による整備を求めた。

 この水泳会場については、今日のテレビで元組織委員会事務局員からこんなアイディアが示された。それは1964年東京大会の際水泳会場として使用された国立代々木競技場(旧第1室内競技場)を再び使用することである。面白いことに現在表面的にはプールがないが、床面の下にプールが隠された状態になっているという。この床面を取り外せば元のプールが表れ、以前には8コースだけしかなかったプールを10コースに広げれば使えると意外な提案である。確かにこれなら改修費用だけで経費をセーブすることができる。ところが、ここはすでにハンドボールの会場として予定されている。だが、ハンドボール会場には、1964年大会で東洋の魔女が活躍したバレーボール会場だった駒沢屋内体育館を使用してはどうかとの提案である。確かにこれなら可能性がある。しかし、こんなことは今ごろになって苦し紛れに重箱の隅を突っついて出て来るアイディアではなく、最初からレガシーとして考えられる案ではないか。

 あれもこれも最近になって表出しているオリンピック会場選定の混乱は、金に糸目をつけない世間知らずのお大尽気質と、既存の施設の有効活用を考慮しなかった手抜かりこそが依って来る大きな原因である。それらはいずれも役人の疎い金銭感覚と関係者の無責任から来ている。一体全体どうなることやら、まったく前途多難である。

2016年10月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com