3452.2016年10月25日(火) 安倍首相の私利私欲と名誉欲

 自民党総裁任期が「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長されることが来年3月の自民党大会でほぼ決まりそうである。これにより自民党総裁の安倍晋三首相は、2021年まで総理大臣の座に留まることが可能となる。1強多弱状態のまま今や安定政権となった安倍政権をこのまま続けさせたいという自民党の考えである。思惑通りなら、安倍政権は近年異例の長期政権となる。自民党内に大きな失点がない現状であまり波風を立てず、現体制でことを進めようとの消極的な姿勢がミエミエである。その他にも安倍首相自身も安定政権にどっぷり浸かって、権力志向が強くなり、自身の意思が反映されるよう努めているように見える。このまま安倍首相の総裁任期が延期されて期限いっぱい総理大臣を務めることになれば、2020年東京オリンピック・パラリンピックの主催国首相として世界へアピールすることもできる。

 他にも安倍首相には、もっと大きな夢があるようで、明治150年の節目を迎える来年2017年には、明治維新のために活躍した長州藩士を輩出した長州出身の首相はその主役として、またご当地総理として一際脚光を浴びる心づもりのようである。それには仕掛けがある。明治維新が成りわが国最初の宰相に就いたのが長州藩士の伊藤博文だった。明治50年(1917年)には同じ長州出身だった寺内正毅が総理大臣を務めた。そして明治100年(1967年)には安倍首相の大叔父・佐藤栄作が首相だった。日本の歴史上長州藩、山口県出身の人材が国を背負い、わが国家国民を引っ張って来たことをアピールする絶好の機会と捉えているようだ。そこに安倍首相の最大の出番があるわけである。それ故安倍首相は節目の明治150年(2017年)には総理大臣の座に留まって、大袈裟なパフォーマンスを演じたいのだ。売名行為と名誉欲も好い加減にしてもらいたいものだ。

 更に「日本の歴史=山口県人」をアピールするために、安倍首相はこんな身勝手な舞台演出まで考え、実行しようとしている。それは今年12月に予定されているプーチン・ロシア大統領との会談の場を、首都・東京や迎賓館のある古都・京都ではなく、幕末の政変の舞台である自らの故郷・長州山口で行おうとしているというから、私を公に利用しようとする安倍首相の名誉欲には呆れるばかりである。それにしてもかつては健康上の理由として泣きべそをかきながら総理大臣の職を退いた安倍首相も太々しくなったものである。そして、この目に余るプライベートなパフォーマンスを止められない自民党も末期症状と言える。こんな身勝手なことをやっておきながら、どうして1強多弱の安定政権を維持できるのか理解に苦しむ。これが魑魅魍魎の政界の現実であり、世にも不思議な物語である。

2016年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com