ケチがつきはじめた大手出版社・講談社がまたまたヘマをやらかした。同社発行のマンガ雑誌「週刊少年マガジン増刊マガジンドラゴン」に掲載された作品に盗用があったと講談社はしぶしぶ謝罪した(本日付朝日朝刊)。新人マンガ家・豪村中氏の作品に複数の作品からの盗用があったと外部から指摘があり、本人も盗用を認めた。講談社の言い分はありきたりで、「二度とこのようなことが起こらぬよう指導を厳にする」というものである。だが、この大失態はそもそも講談社の体質自体に起因しているとみている。指導すべきは、自分たちが選んだ執筆者に対してではなく、講談社内部に対してではないだろうか。すでに落着したが、私自身も今夏講談社と一戦を交え、誤りを訂正するとの言質を得た。この会社は、自分たちの誤りに気がついても、素直に自分たちの誤りを認めようとしない。傲慢不遜で謙虚さに欠けるのだ。この体質を変えない限り、このところトラブル続きで懲りない講談社には、また同じような失態が跳ね返ってくるのではないか。
出版界のトップ企業であるという野間家世襲一族、および社員の思い上がり、オピニオンリーダーとしての自覚の欠如、世襲企業特有の隠蔽体質、外部の意見を傾聴しない傲慢さ等々、誤ったプライドを抱く講談社には、多くの問題が沈潜している。今度の件でも、多分外部から相当数の指摘があったと思われる。当初はこれを無視していたが、あまりの苦情に腰をあげて調査した結果、盗用と判明し、逃げられなくなって盗用を認めたというのが、実際の経緯だと思う。
どうしてこうもマス・メディアの最前線にある講談社は、トラブルを頻発させるくせに性懲りもなく反省がないのだろうか。結局のところ企業ガバナンスがしっかり確立されておらず、世間知らずで、名門企業の名に甘えた妙なプライドで固まっている連中が、自分たちの論理だけでことを進め、自分の世界を作っているだけだからだろう。