「JAPAN NOW観光情報協会」による東京コンテナ・ターミナルの見学会が行われた。一般人が簡単に入れる場所でないので、出来れば一度見学してみたいと思っていた。
品川駅港南口からバスで20分程度の大井埠頭にある日本郵船東京コンテナ・ターミナルで、ビデオ観賞による概略を知ったうえで、ビル屋上から目前に広がる日本郵船専用のコンテナ専用船のヤードを見下ろしながら、担当者の説明を受けた。丁度ヨーロッパ航路のアクエリエス号が入港するところで、しばらく見ていたが、ガントリー・クレーンは活躍すれど、ほとんど人影が見えない。
作業の大部分は徹底してコンピューター化されている。船舶自体は完全にIT化され、極端にマンパワーが省力化されている。
早速白沢事務局長よりJN情報紙に見学記を書くよう厳命されたが、500字以内というのはとても無理だ。もう少し字数を増やすよう頼んだら、700字以内という。これとて無理な話。まあ、とにかく書いてみた。これでも800字になった。以下は推敲前の初稿である。
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コンテナ・ターミナルなんて、刑事ものか、ヤクザもののテレビ場面でしか見たことがない。しかし、今や海外との物流取引の一大拠点となったコンテナ・ターミナルをぜひ見てみたいものだと思っていた矢先、1月31日午後JN協会による見学会が実施され、松尾理事長以下27名の会員が参加した。
JR品川駅から貸切バスに乗って約20分で、日本郵船・東京コンテナ・ターミナルビルへ到着。会議室で20分間のビデオ観賞によって事前研修をすませる。日本コンテナ・ターミナル社の文谷嘉宏課長の案内で4階レベルの屋上へ出て説明を受けた。その後質疑があった。目の前に広がるコンテナ船専用コンテナ・ヤード(総面積275,400㎡)と二つのバース(停泊場所)を見下ろすと、かなりの数のコンテナが整然と置かれている。丁度ヨーロッパ航路7万トン級のコンテナ船アクエリエス号が7号バースに接岸する瞬間だった。
波止場で立ち働く港湾労働者の姿は見えず、本船荷役とヤード・オペレーションはすべてターミナル内のTOPSシステムによりオペレートされている。船上のコンテナは現場労働者の手を煩わすことなく、コンピューター制御によりトラックまで運ばれる。極力マンパワーを排除している。聞けば、入港したあの巨大な船舶にも僅か20名程度の船員しか乗船せず、3交代制で徹底した省力化により人手はほとんど要しないそうだ。
かつては、埠頭も国が管理して入港順に各バースに接岸していたようだが、今では船会社別に固有のバースを管理しながら、自社船舶の荷役業務を行っている。
見学後の質疑応答を通して推測されたことだが、海運会社にとっては長い冬の時代を潜り抜け、近年は中国貿易の拡大発展に伴い飛躍的に物流量が増え、コンテナ・ターミナルの需要も増大している。その地道な仕事場に光を当てる、有意義な見学会だった。