天気予報通り今朝からしんしんと雪が降っている。昼ごろには雨になるとの予報だったが、ついに降りやまず一日中降り続いていた。都内の積雪は3㎝だという。一昨年にこんな大量の積雪があったかなあと思うが、とにかく最近では珍しい。幸い日曜日というせいもあり、外を歩く人もあまり見かけないし、車もあまり通らない。我が家の庭に降り積もった雪景色も中々風情がある。やはり、日本庭園の引き立て役は松ノ木と灯篭、そして築地だろうか。
さて、毎日曜朝に放映されるテレビ朝日の「題名のない音楽会」を機会があれば結構楽しんで見ている。昨年司会者だった羽田健太郎氏が亡くなってから、臨時にいろいろな著名人が司会進行役を務めている。この番組は中々良い企画で内容自体も素晴らしいが、毎回司会者が代わっていて、視聴者常連としてはどうも気持ちが落ち着かず安定感がないような気がする。それが漸く4月から指揮者の佐渡裕氏が正司会者を務めることに決まりほっとしている。やはりこういうムード番組は、ある面で視聴者が聞きやすい番組構成と演出にはめることが大切で、それに視聴者が合わせて楽しむというスタイルを作り上げ、踏襲した方がよいように思う。佐渡裕も時折派出なパフォーマンスをやるので、今度はレギュラーとしてどういうショーを見せてくれるか、4月から楽しみにしている。
今日の企画は「千の風になって」バージョンで、ミリオンセラーとなった「千の風になって」を、日本語作詞並びに作曲、そして最初の吹込みをやった作家・新井満、この曲を歌い一躍ブレークしたクラシック歌手・秋川雅史、ギタリストでギター曲に編曲した渡辺香津美、そして作曲家で千住式編曲をした臨時司会者・千住明がそれぞれ持ち味を出して名曲を披露した。
作詞作曲された新井満氏が言っていたが、死とか墓とか、とかくタブーとされる言葉を取り入れて歌っているので、イメージが暗くなりがちであるが、この曲にはいろんな歌い方があっていい、秋川の歌は、日本晴れの歌だと言っていた。なるほどと思っていると、確かに秋川の歌はテノール歌手らしく声量たっぷりに高音で歌っている。新井本人はと言うと、一番と二番を朗読して、それからじっくり落ち着いて歌っていた。3年前のペンクラブ総会だったと記憶しているが、その前座で新井氏がこの曲を披露され、歌ったときあまりにも上手なので驚いたことがある。それがこの名曲を生で聴いた最初である。その場でCDを購入し署名してもらったとき、新井氏に上手ですねと言ったら笑っておられた。中々聞かせる。個人的には、秋川より新井氏の方が歌い方としては曲に合っているし、上手なような気がする。
あまり知られていない話だが、その時の新井満氏の説明によると、新潟の親しかった友人が奥さんを亡くされて、友人と子どもを励ますために作った曲だと言っておられた。歌には、ひとつひとつ歴史とか秘話があるものである。