昨日午前0時を期して安全保障関連法案が施行された。昨年9月の国会で法案が成立し、その後憲法学者を始め、有識者や市民団体が反対行動を行ってきたが、安倍政権は一切耳を傾けなかった。安倍政権が目指すのは、国連平和維持活動(PKO)のような国際社会の場で日本の存在感を高めることのようだ。
それではこれからどうなるのか。いろいろな意見があるが、日本が戦争に巻き込まれる可能性が高まることは間違いない。そんな空気を反映するように、今春防衛大学校卒業生で自衛隊への任官拒否者が、419名中47名もいた。昨年の25名に比べてほぼ倍増した。これは自衛隊で海外に派遣されて命を落とすことを避けたいという学生が増えたということであり、明らかに戦争法案と言われる安保関連法案の成立が効いている。
一方昨日参議院本会議で2016年度予算が可決、成立した。年々増え続けている国家予算は、ついに過去最高の96.7兆円になった。その内1/3の32兆円が社会保障費に充てられる。予算面からも少子高齢化が浮き彫りである。夜中の安保関連法案施行に歩調を合わせるように、防衛費の膨張も目立っている。5.3兆円はこれも過去最高である。かつては、1兆円がひとつの壁と見られていたが、一旦堤防が決壊するや濁流が流れ込んだように一気に5兆円までやってきた。これで軍備を拡張するのだろうが、これだってアメリカの言いなりになって整備するわけである。結果的に見かけ上軍事力は高まっているが、日本の思うように自衛隊を動かせない構図になっているとは、軍事評論家・小川和久さんの話である。去る14日小川さんに会った時、小川さんの著書「日本人が知らない集団的自衛権」の中身についても話した。日米同盟、つまり日米安保条約によって日本の自衛隊はアメリカによってがんじからめに抑え込まれていて、どうにもならないと言っていた。
アメリカ大統領選のトランプ候補のように、日米同盟を相当曲解してアメリカ有利に改定しようと考えているアメリカ人が結構いるようだが、実態は日本に不利に、不経済的に施行されているということが分からないようだ。
早晩安保条約についても是々非々の論議が戦わされるようになるだろう。
なお、選抜高校野球準決勝で、母校?龍谷大平安高校は、奈良の智辯学園に9回裏サヨナラ逆転負けを喫して念願の百勝を挙げることはできなかった。9回裏は1アウトでランナーなしだったが、その後4連続安打を打たれて2x-1で敗れてしまった。テレビ前で校歌を唄えず、甲子園通算100勝は夏までお預けとなってしまった。