一昨日新潟から一時里帰りしていた二男が今日新潟へ戻った。やはりその土地に住んでいる人間から聞くとなるほどと思うことがある。1つはガソリン代について聞いた話だ。車がないと仕事にならないようだが、ガソリンの需要が多い地方都市なので、経済原則から言えば安くて当然である。ところが輸送費がかかるのか、逆にガソリン代はかなり高いらしい。やはりこういう問題は、現地に住んでみないと分からない。2つ目は、新潟は雪国であるだけに人々は雪に慣れ、雪について詳しく知っている。雪が降ってくるのを見て、この雪は積もるか、積もらないかを即断出来ると言って感心していた。
今年は全国的に積雪が多く冬山の遭難者も多い。ところが、油断したのか航空機の人為的なミスが札幌・新千歳空港で起きた。日本航空機が離陸しようと滑走路を飛び立つ寸前に、同じ滑走路の前方で着陸したばかりの同じ日航機がまだ残っていた。雪で前方が見えなかったというパイロットの証言だが、札幌は冬になれば毎日雪が降るので、その対策は充分やっていたはずである。管制官のいう通り鸚鵡返しに繰り返せばよいのに、違う言い方をしたらしい。マニュアル通りに操作していなかった。これは、明らかに慣れからくる油断だ。幸い事故にはつながらなかったが、生命に関わる事故と連動しかねないだけに、航空会社は乗務員を再教育して、マニュアルの再点検を徹底して欲しい。
昨日文科省による学習指導要領の改訂が発表されたが、国語については、適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高める云々とある。皮肉なことに、今朝の日経紙最終頁のエッセイに作家・工藤美代子氏が「原宿はらはら」というテーマで、最近の原宿風景を描写していたが、近頃の女子中学生の服装と言葉遣いの乱れに呆れ果てていた。長い間住んで愛着もあり懐かしい原宿だが、とても住んでいられなくて最近引越ししたそうだ。
今朝の「天声人語」にも最近の言葉遣いには、会話を弾ませる大切な熱を奪う言い回しが多いと嘆き、その例として「自分の中では・・・」とか、「わたし的には」、「~かな、みたいな」という表現が間々見られると指摘している。文科省は精一杯やっているのだろうが、言葉の破壊に力を貸しているのは、間違いなくテレビ局だろう。あまりにも愚劣なバラエティ番組で低級な笑いを誘って、程度の低いタレントが程度の低い視聴者に迎合している。このまま日本語が破壊され続けると、日本の古典はいずれ外国語になってしまう。