地震発生からちょうど2週間が経過して、熊本、大分では相も変わらず余震が続き、自宅に住めなくなった避難者は4万人近くに達している。この間震度1以上の地震回数は1千回を超えた。仮設住宅の建設も急ピッチで進んでいる。
どうにも落ち着かない日本列島であるが、昨年の今ごろ箱根でも火山活動が活発化して立ち入り禁止区域が設定され、小田急グループでも箱根ロープウェイが区間運休の厳しい自制措置を取らざるを得なかった。それがほぼ1年ぶりに、去る23日姥子~大涌谷間が解除されホッとしたが、このロープウェイ路線は大涌谷~早雲山間の大涌谷上空を通過するところが醍醐味であり、その点ではまだ充分とは言えない。気象庁によると箱根山の火山活動は落ち着いてきているが、火口や噴気孔ではまだ活動が続いているそうだから、果たしていつ以前のように箱根観光を楽しめようになるか現時点では分からない。憂鬱である。
これに関連して今日小田急電鉄の山木社長に宛てて、かつて在職中私がプロジェクト・リーダーとなって企画開発した外人向箱根パッケージ商品の再企画を検討されるよう提言した書状を送ったところである。1982年1月、この華麗なるパック商品はデビューした。1人でも参加できる外国人観光客用ツアーと銘打ったユニークなツアーで、JNTO(元国際観光振興会)などからも高い評価をいただいた。American Expressでも同社の旅行雑誌に‘AN UNUSUAL TOUR OF JAPAN’S MT.FUJI-HAKONE AREA’とこのパック商品を好意的に紹介してくれた。残念ながら当時は時代的にやや早かったせいと、我々に販促力が伴わなかったために、期待した成果を上げられず中途で挫折してしまった。あれからすでに34年が経った。旅行マーケットも変貌したが、とりわけ外国人旅行者の数が増えた。その意味では外国人旅行客が増加しつつある今こそ、このパック商品は受け入れられると信じて、その再企画を社長に提案したところである。実は去る15日に社友会でお会いした折、このパック商品について社長とお話をしてご関心があるように感じたので、30年以上も前の資料を添えて再企画を提案させていただいた。
どんなご回答をいただけるか何とも言えないが、これこそ箱根ロープウェイが全線復活した折には、復活記念として地域を活性化させるパック商品でもあると思っている。何とかニュー・パック商品の再登場を期待したい。