福田政府が機能不全に陥っている。やること成すことすべてにおいて頓挫したり、停滞している。日銀総裁人事、暫定税率期限切れ、年金問題、等々に成果が見られない。ここまで酷い政権になるとは思いもよらなかった。
今月から始まった高齢者国民健康保険のうち、後期高齢者と称する高齢者を対象にした健康保険は批判が強く、手順とやり方を変えるようだ。それにしても、「後期高齢者」という名前が75歳以上の対象者に対して冷淡過ぎやしないかとの声が挙がっている。「後期高齢者保険」という呼び名が、あまりにも冷たいというので、急遽「長寿医療保険」と名前を変えたが、法律は一義的にはあくまで前者が正式な呼び名だという。役所のやることは、相手のことを考えていないというひとつの典型である。
なぜこういう思いやりのない名前を思慮分別なくつけるかと考えると、つまるところ役人は現場で苦労した経験がないから、相手の気持ちが理解出来ないからだという基本に行き着く。情けなくも彼らには人の心、ハートがない。年金がらみの厚労省、社保庁の熱の入らない好い加減な対応ぶりを散々見せられると、もうこの役所と役人どもに任せては、今日まで未解決の問題は今後も解決しないだろうし、新たな手抜きをやって、国民をまた騙すのではないかと疑心暗鬼になり、本当に心配になってくる。公僕なんて言葉はついぞ眼にしなくなったが、せめて国民の税金で自分たちだけは世の中を楽しもう、なんて愚かな考えだけは持たないようにしてもらいたいものである。
それにしても役人は自分たちが犯した大失態、しかも国民に相当な負担を強いた大罪に対して、なぜ責任をとろうとしないのか。可笑しいではないか。これは何も年金だけの問題ではない。退職した一般役人に、彼らのせいで追い詰められた旧職場でボランティアとして働かすべきである。また、高級役人に対しては、退職金の返還を求めるべきである。