333.2008年4月11日(金) 映画「靖国YASUUNI」問題ぶり返す?

 「知研フォーラム」来月号にタイムリーなテーマ「チベットの旅とデモ騒乱事件」について書いていたが、漸く脱稿して今日八木哲郎・知研会長へ送信した。取り敢えずホッとした。

 さて、先日来公開前に上映中止となり問題となっていた映画「靖国 YASUKUNI」は、その後各地の良心的な映画館が上映を再検討して、解決へ向かうと思っていた矢先の昨日になって、自民党・有村治子参議院議員が、映画の中心出演者の刀匠が映画場面で自分の出演部分を削って欲しいと申し出があったと述べ、また問題がぶり返している。刀匠は撮影を承諾してストーリーでも中心人物となっていたが、当初監督から聞いた映画の趣旨と実際に映画での取り上げられ方が異なっている不満を申し出ているらしい。この期に及んで自分の出演箇所をすべて削って欲しいと有村議員に言っているようだが、今ひとつ真意が読めない。マス・メディアの解説によれば、映画のストーリーはこの刀匠の刀作りの話がかなり大きなウェイトを占め、インパクトを与えているという。だとしたらこれを削除したらこの映画自体が成立しないのではないか。この期に及んでこういう理不尽な我を通すとは人間的にも信用出来ない。もちろん李纓監督は納得していない。最初納得していながら、なぜここへ来て刀匠が変節したのかとまで言っている。監督に同情してしまう。刀匠の言い分は、筋論は別にしても製品の中身に苦情を言うのと同じでもう遅すぎるのだ。出来上がった製品のうち、一部の部品を使わせないと言っているようなものだ。

 それにしてもなぜ自民党議員は、先の稲田議員にしろ、今回の有村議員にしろこの映画にこだわり、物議を醸すようなことをやるのだろうか。有村議員は実際これからどのようにこの問題を解決しようとしているのだろうか。ただ、騒ぐだけ騒いで答えは関係者が出して下さいでは無責任も甚だしい。せっかく公開しようと思っていた各地の映画館も、もちろん刀匠出演部分をカットしたら欠陥商品になるので、その場合は上映しないだろう。刀匠からの非難、或いは裁判沙汰を承知のうえで、このまま上映するより妙案はない。火を点けた、目立ちやがりの女性議員はこの問題をどう終息させるつもりなのか。答を聞きたいものである。

2008年4月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com