342.2008年4月20日(日) 増長する中国人の独りよがりな言行

 一昨日長野市の善光寺が、北京五輪聖火リレーのスタート地点となることを辞退した。偉いお坊さんが記者会見でその理由について、①混乱の未然防止と、②同じ仏教徒としてのチベットに対する配慮があると述べた。長野市聖火リレー実行委員会はこれを受け入れ、リレーコースは変更されることになった。理由はいろいろ考えられるが、善光寺としては当初はこれほど大きな騒ぎにならず、むしろスタート地点に推されたことを名誉に思い、観光宣伝になるぐらいに思っただろうが、昨今の騒ぎで、万が一のハップニングを恐れて辞退を決めたのだろう。

 いま世界各地で行われている聖火リレーはオリンピック精神にもとるもので、本来の主旨からかなり逸脱している。厳重な警備体制の中、沿道の人々から声援を受けることもなく、サンフランシスコのように忽然と聖火隊が姿を隠すなんてのは、もう聖火リレーの邪道でしかない。これではリレーを行う意味がない。今回の聖火リレーは、中国のメンツもあるだろうから、本来の姿から外れて安全第一に実行するにしても、次回ロンドン大会ではその前に祝福されない行事を行う是非を考えてもらいたい。

 それにしても善光寺の辞退の理由のひとつ、同じ仏教徒としてのチベットに対する配慮というのは、中国に対する強いインパクトになると思う。具体的に仏教徒に対する弾圧であるということを初めて世論に訴えたからだ。

 一方中国側は、近日予定される胡錦濤・国家主席の訪日に傷をつけぬようことを荒立てることはしないが、胸にずしんと来ている筈である。だが、すでにリレーの終わったフランスとアメリカに対しては、中国国内で中国国民を巻き込んだ全国的なデモにまで発展させている。

 中国に展開しているフランス系スーパー、カルフールに対して不買運動を働きかけたり、アメリカではCNNのコメンテーターによる中国非難の発言に対して、謝罪を要求したり、いまの中国ナショナリズムはまるで恐れを知らない駄々っ子のようだ。私の知っている中国の友人たちは、みな穏やかで優しい人たちばかりだった。中国人はいつの間に他人の言い分は聞かず、激しく自己主張だけを繰り返す、傲慢な国民になってしまったのだろうか。

2008年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com