347.2008年4月25日(金) 国民のために働かない役人

 蛇の目ミシンの旧経営陣が、仕手集団の恐喝に屈して会社に損害を与えたとして、株主から訴訟を起された差し戻し審判で、東京高裁は「上場企業の取締役として稚拙で社会常識とかけ離れた対応」と断罪し、元社長ら五人に583億円という途方もない金額の賠償を命じた。

 一方、西武鉄道は有価証券報告書の虚偽記載発覚による株価下落で損失を蒙ったとして、個人株主から訴えられていたが、西武もまた東京地裁から2億3千万円の支払いを命じられた。

 少々厳しいが、公平であるかどうかは別にしても、これが罪を犯した時に支払うべき代償である。いずれも一昨日と昨日下された判決である。会社の経営姿勢が問われたケースと会社が株主を騙した犯罪に対する、ともに常識的な判決である。近年株主によって訴訟を起されるケースが増え、経営者にも真剣に株主の意向に応える経営のあり方が求められている。

 翻って政治家や、官庁、地方自治体、公的団体役職員の、平素の仕事ぶりと罪を犯した時の対応はどうか。公僕たる彼らは国民から仕事を委託されて正確に誠実に業務をまっとうする義務があり、それを求められている。ところが、政治家や役人は使命感がないままに、私利私欲に駆られ国家と国民に大きな損失を与えている。それどころか、通常の給料のほかにボーナスを保証され、天下りをして高い給与と年金を得て、人生の終着駅まで甘い汁を吸い続けている。最近の厚労省と社会保険庁の好い加減で杜撰な仕事ぶりは目に余る。後から後から手抜きというか、余罪と呼ぶべきか不祥事がぞろぞろ出てくる。自分たちの怠慢と手抜きで、仕事量が増えていることに対して反省の色はまったくなく、仕事量が多くて手に負えないとの泣きごとまで入る。ならば、この不始末の片棒を担いだOBたちを引きずり出して手伝わせればよいと思うのだが、そういう発想はまったくない。十年一日の如く、反省もなく、責任も取らないのが役人である。こんな気楽な商売はない。どうして役所にはこう悪い奴ばかり集まるのか。

 昨日茨城県国民健康保険団体連合会は、ひとりの競艇狂いの職員によって3年間に10億円をつまみ食いされていたことを公表した。毎日百万円ずつ着服されて3年の間職場の誰も気づかなかったというのだから、開いた口が塞がらない。こんな弛緩した内部組織では、今後も金庫の管理は出来ないだろう。どこまで本気なのか、上司は自ら減給するとポーズをとっているが、組織の職員は高々140名で年間の人件費総額が9億円(一人当たり平均年棒640万円だからかなり高いが)というのだから、全職員が一年間無給で働いても足りない。それにしても誰も気がつかず、本人の手紙の告白によって初めて明るみに出たというのだから、組織の管理体制はデタラメでまるでなっていない。職員の人事管理はないに等しい。役人の無責任と無反省ぶりには、ただあきれるばかりである。

 政治家についても、先月一杯で期限が切れたばかりのガソリン税の暫定税率の復活を目指して、いままた与党議員が暗躍している。与野党の同じ国会議員同士が1ヶ月間に国民に大きな影響を与えるガソリン価格を上げたり下げたりさせて、販売者と消費者に迷惑をかける愚をもう1度やってみようとのパフォーマンスである。悪評だらけの後期高齢者医療制度にしてもそうだ。福田首相は説明が不味かったなどと言っているが、そんな次元の話ではないと思うのだが・・・。

 まだまだある。いま役人天国・日本は、ぐうたら役人と何もしない政治家のせいで無駄と迷惑、無恥と奢りだらけだ。

2008年4月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com