349.2008年4月27日(日) 新書の衝動買い

 さぼりがちの日課の散歩を、いつもの駒沢公園ではなく自由が丘駅に向かいそのまま書店に立ち寄った。多摩大学の次回公開講座では、酒井啓子講師が専門のイラク問題を話されるので楽しみにしているが、いままで酒井講師の著書に目を通していないので、時間的にはちょっと間に合わないが、できる限り事前研修しておこうと書店で書を探してみた。売れっ子学者で、話題の講師でもあるのですぐに見つかったが、つい衝動買いで新書を4冊も購入してしまった。いま話題のチベット関係書は探してみたが、見つからなかった。

 酒井講師の著書は、岩波新書「イラク・戦争と占領」、同「イラクは食べる-革命と日常の風景-」の2冊で、後者は5日前に第1刷発行だから、まだほやほやである。パラパラとめくったばかりだが、なかなかユニークな内容で面白そうだ。ほかに、ロシア関係の新書を2冊求めた。「ロシア・闇と魂の国家」(文春新書)と「インテリジェンス-武器なき戦争」(幻冬舎新書)でいずれも対談形式の内容になっており、2冊とも外務省休職中の佐藤優氏が対談を行っている。前者の対談相手は亀山郁夫・東京外語大学長で「カラマーゾフの兄弟」の分かりやすい新訳書で一躍有名になったロシア文学家であり、後者の対談相手は元NHKキャスターの手嶋龍一・慶大教授である。いずれも最近のロシア事情に精通している専門家の対談で、きっと内容的にも興味深いものと思われる。

 時も時、いま福田首相がロシアを訪問中で、プーチン大統領とメドベージェフ次期大統領とも会談した。ロシアという国はまったくおかしな国で、憲法の規定により、来月には大統領を辞めるプーチンが、メドベージェフ次期大統領の下で首相を務める。腹のうちは大統領から首相職を罷免されないよう身分保障として、与党の党首を兼ねるというから自分の地位を守るためのウルトラCカードを切ったことになる。

 福田首相がこの時期にわざわざプーチンに会いに行ったのは、洞爺湖サミットの前にロシアに仁義を切りに行ったのだろう。首脳会談の内容は、東シベリアの油田共同開発と北方領土問題解決に向けた話し合いを継続するというものである。前段の話はともかく、懸案の領土問題は愁眉を開くことができるだろうか。領土的野心の強いロシアが、話し合いに応じること自体、前段の話を自国優位に取り込むための単なるポーズだと思っている。

2008年4月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com