352.2008年4月30日(水) また始まった政治家と役人の国民いじめ

 すったもんだした挙句に、先月末決まったガソリン料金暫定税率撤廃を復活させるべく、自民党は衆議院本会議で法案を提出した。民主党議員が欠席したことにより、出席議員の三分の二の賛成を得て、暫定税率復活が決定し、明日からガソリン料金に再び税金が上乗せされることになり、1㍑当り30円前後値上がりする見込みである。

 ひどいものである。国会議員は自らの機能不全により、僅か1ヶ月の間にガソリン料金を上下させる混乱を引き起こしていながら、国民に対して謝罪する気持ちをまったく見せず、「地方によって必要な道路は作らないと地方経済は沈滞するばかりである」と悪びれず尤もらしい持論を述べている。しかし、国民に対して分かりやすい説明が、あまりにも不足しているのではないか。国民がある程度納得できる丁寧な解説と、その理由を政府は説明する責任がある。いまの状態は、ガソリン税は必要なんだ、国民は我慢してほしいと自己主張するだけで、弱いものいじめをやって政治家の無能と無責任を曝け出しているだけではないか。

 政治家がダメなら、役人のデタラメも言ってやろう。今晩二つのTV報道番組で、食品売り場からバターが消えつつあることを特集していた。全国のスーパーや食品売り場で、食事に欠かせないバターが払底している状態を伝えていた。何たる農政の失態か。確か去年か一昨年、酪農農家が牛乳の消費量減少で在庫がだぶつき、橋から川へ投げ捨てて、相当の牛乳を廃棄処分にしていたが、そのツケが早くもやって来た。バターの原料である牛乳が足りないために、バターを作れないというお粗末ぶりである。余ったからと言って、ただ前後の見境もなく牛乳を川へ廃棄してしまったのである。酪農農家も涙ながらに、もう少し真剣に農政に取り組んでもらいたいと訴えていた。農政の大元締めである農林水産省の、甘い需要予測と魂のない国策によってもたらされた大失態である。もちろん農水省には誰も責任をとる職員はいないだろう。これから先当分不足するバターをどうやって手に入れるのか。海外でも中国が、若者の需要増大で10年前に比べ、バターの消費量が40倍に増えているという。

 さあ、どうする。バターと言えば、「大砲とバター」に象徴されるように、戦争に使用される大砲よりも、日常生活ではバターの方がずっと大切である、ということを戦後日本人は骨の髄まで学んだ筈だった。そのバターがないという。米の減反政策と同じ愚を再び犯している。バター生産は最低2年間元へ戻らない。米はほとんど戻りそうもない。この農政の失敗はどう辻褄を合わせるのか。もうこうなったら、役人は必要ない。政策決定は、専門の学者や経済人がやって、実務はアウトソーシングしたらどうか。

 スイスからヤスコ・シュランツさんが母親の世話のために一時帰国中で、今日4年ぶりにお会いしたが、相変わらず元気そうでほっとした。企画したスイス方面のツアーが好評だったのも彼女のおかげである。インテリで親切でパワーフルな女性である。企画したスイスのツアーが好評だったのも、彼女のおかげである。待ち合わせの時間を間違えて迷惑をかけてしまったが、スイス人の性格とか、スイスの生活レベルの話を聞いて考えさせられた。日本とは歴史的にもすべての面で異なる国であるが、凡人の国・ニッポンは、賢人の国・スイスから少しは学んではどうか。

2008年4月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com