ロシアも、中国もどうもおかしなことをやっている。昨日ロシアではプーチン前大統領が首相に就任した。メドベージェフ新大統領に任命されたものであるが、大分前からきな臭い動きはあった。大統領職を禅譲されたメドベージェフ政権は、実質的にはプーチン首相による院政で、プーチン首相自身がかつてほしいままにした強大な大統領権限を、次から次へ封鎖して首相権限へ移行し、思い通りに政治を操っている感じである。昨日の日経紙に依れば、プーチン大統領は離任直前に州知事など地方自治体首長の人事権を、事実上大統領から首相に移す大統領令にも署名していた。これも明らかにプーチン氏のしたたかな計算によるものだ。これで地方の政治家が忠誠を誓うのは、メドベージェフ氏ではなく、プーチン氏だということがはっきりした。まあ、よくやるなぁと思う。こんなことまでされても、メドベージェフ氏は大統領になりたいのか。げに恐ろしきは、名誉欲と権力欲である。
一方、中国も北京五輪成功のためには何でもありだ。問題の聖火リレーが海外で終わり、いよいよ国内で始まったと思ったら、あっという間にチョモランマ頂上の聖火リレーとなった。中国国内では、中国ナショナリズムが盛り上がり6時間も生中継をやっていたという。しかし、本当かな?というのが、実は率直な感想である。頂上の聖火をどうも手放しでは祝福できない。下衆の勘ぐりかも知れないが、本当に約10名のリレー走者チームが一辺に登頂したのだろうか。チョモランマというのは、仮にも世界最高峰・海抜8,848mの英名エベレストであるが、そんなに簡単に登れるのかという疑問がある。たった1人でも登頂するのが至難な英雄的偉業であるのに、団体で聖火を携えたパフォーマンスをやって、団体でいとも簡単に(?)登頂成功である。本当かなぁ? しかも、頂上で聖火を点した(された)のがチベット人女性というのが、何やら怪しい。「中国の、中国による、中国のための北京五輪」成功のために、国家総動員で田舎芝居を演じているように思えて仕方がない。
どうも、近年は普通で、ごくまともな社会がどんどん消えつつある。嫌らしい傾向である。
さて、今夕のテレビニュースで報道されたが、広島県の公立高校入学試験で、学業成績、内申書は合格点に達していたが、県教委は面接の態度が悪いとの理由で不合格になった受験生の入学を一転して認めることに決定した。現在すでに他校へ通学している1年生に対して当初の希望校入学を許可するらしい。
よく考えてみると、この対応はどこかおかしく、筋が通らないのではないか。これでは面接試験をやる意味がないと思う。家庭の事情のようなプライバシーの理由で不合格にしたなら、その理不尽さは糾弾されてしかるべきである。だが、このケースは、学力以外の人物評定の場で、受験校の教育関係者がその学校のカラーに合わない行儀の悪さに不合格の烙印を押したのだ。それにも関わらず学校側が下した面接評価は認められず、逆に態度の悪かった生徒が合格になるという。この措置はやはりおかしい。その生徒がいまさら入学し直したところで、学校、同級生、保護者の間にしこりが残り、教育的な見地から好ましくないのではないかと思う。それより何より、その生徒にとって一旦拒否された高校へ入りなおすことが、本人にとって幸せなことなのかどうか、県教委は考えたことがあるのだろうか。それと肝心要の入学を認めた基準と根拠は何なのか、はっきりさせる必要がある。ご意見番としては、どうも納得がいかない。