部屋をリメイクしようと先日デパートで机と本立て2竿を買ったが、今日配送されてきたので、早速部屋を整理する。本を買っては書斎内に手当たり次第に積み重ねていたので、いつの間にか大分溜まって足の踏み場もなくなっている。本立ては五段のものを二つ購入したのだが、それでも足りずどうすべきか考えあぐねている。どうもいま流行の「整理術」がうまくない。まったく同じ書が2種類も出てきて、そのうかつさと無駄遣いに自分でも呆れている。
整理していた小物類の中で、サイクロン被害により、いま世界中の人々からお見舞いの気持ちを受けているビルマの民芸品が、いくつも出てきて、ついビルマへの郷愁が募ってくる。年々ビルマの友人、知人との連絡も細くなっている。いまコンスタントに手紙のやり取りをしているのは、たった2人になってしまった。あとニューヨークにひとりいる。
一説には、被災者は150万人とも言われている。国民生活が危機に瀕している最中、やはり一部の地域を除いて新憲法案の是非を問う国民投票が強行された。この結果が出るのは、延期された地域の結果を待つので、相当遅くなるとは思うが、結果的にはどう出ようと意味のないものになるだろう。いまのところ、日本の援助は最高額のようである。いまでこそ軍政体制でお互いにあまり友好的な付き合いではないが、かつては極めて良い互恵的な関係にあった。特に、戦時中日本軍がビルマに迷惑をかけたというお詫びと反省の意味から、戦後賠償を奮発して、率先してビルマには援助を惜しまなかった。それを憶えているビルマの人たちは多い。ビルマを訪れて嫌な印象を持つことはまずない。少し滞在すると、ビルマという牧歌的な大地と素朴なビルマ人の良さがじわっと分かってくる。それが「ビルキチ」(ビルマ狂いの意)が、いっぱいいる理由である。いまのタン・シュエ政権は強引で独裁的な統治で、ビルマの国際的なイメージをどんどん壊している。国際的にビルマという国が、このように独裁的で、他国の忠告を一切聞かず、悪い意味の唯我独尊の国家との固定観念が定着するのが残念であり、それが一番心配だ。